とあるバーの席に落ち着いて…。
長流の隣で千城が面白そうにフッと口角を上げるのがわかった。
完璧楽しまれている…、弱みを握られているのは充分なくらい承知しているけれど…。
長流が追いかけたくなる気持ちを抑えられなかった結果だ。
尚治の浮気の心配はないと信じている部分がありながら、やはり現場確認はしたくなる。
尚治の人柄の良さが発されれば、相手に余計な気持ちを植え付けていた。まるで気があるかのように…。
そんなつもりは全く無い尚治なのだから、ある意味、相手が気の毒に思えるところもあったが…。
何の会話をしているのかはこちらからでは聞きとることができない。
一気に尚治の腕に抱かれるように寄り添った小柄な男に、また尚治に対しても、「おーい、おーい、オーイ」と長流の内心で突っ込みが入っていた。
まさかとは思うが、このまま『慰める』行動には出ないだろうな…。
『男に興味がない』…とは一番近くにいる長流が良く知っていることではあったけれど、甘えられて見放せない尚治の性格も、誰より知るところだ。
少しばかりの説明をしただけで、千城は状況を把握してくれた。
そして現在に至っている。
千城にしてみたら、千城と英人の件で散々振りまわしてきた謝罪の意味も含まれるのだろうか。
あとは…、やはり好奇心だろう。
「日野の浮気現場、発見か?まぁ、アイツはそんな不真面目な人間ではないと思うが」
「それ、何?僕ならありえるってこと?」
過去の不貞…どころか、成り行きの行動を千城は知り過ぎるくらい知っている。
性格を比べられているようで長流は余計に不機嫌になった。
今は違う、と言いたい気持ちは通じているからこその、嫌味なのだろうけれど。
「神戸はどうしたい?こちらに煽られてその気になった日野を追い掛けて、完全な証拠をつかみたいのか?」
「どこまでするのかは見てみたいけれど…」
「おまえ、本当に陰湿な性格、しているな」
呆れと苦笑が混じり合って、でもさりげないほどの視線の動かし方で、状況を見守っていた。
千城の洞察力の高さには閉口するところもある。
その先に待ち受けるものを、尚治だって充分なほど想像できるだろう。
今、肝に銘じさせたいのは、親切心の裏側にある危機感だ。
とにかく尚治は人が良過ぎる。それ故、狙われることも多いこと。
長流と千城がそれなりの雰囲気を見せることで、相手の男はつけ上がり、ますます尚治に絡みだすだろう。
その時、男に興味のない尚治がどんな態度にでるのか…。また今後の対応をどう変えていくのか…。
当然一番心配していたのは、年上の自分より、若い子に視線を向けられることだったのだが。
気遣われるのか、千城には「それはない」と断言されていたけれど…。
自分以外の男を知らない尚治の考えまでは、長流には読めなかった。
ちらりちらりと視線を向けてくる、あちらの二人の動きは確認できていた。
男の子については、尚治の一番近くにいるのは自分だとアピールしたい視線だ。
尚治は何故長流と千城が一緒にいるのかの疑問と、その場を離れられない、優しさ…。
この場所で男の子に降りかかる災難のようなものを危惧しているのだろう。
その好意を分かってくれとこちらに向けられても…、尚更腹の虫が収まらないという状況にさせてくれる。
フッと笑った千城が、「なんだったらキスの一つでもしてやろうか」と長流を挑発してきた。
対人面に関する雰囲気作りには普段の生活から長けていたし、海外で暮らしていた経験もあって、それくらいは挨拶の一つの中に括り入れてくれる。
だからといって、明らかに自分のほうが、分が悪い状況には持ち込めなかった。
たとえ、どんな雰囲気を作り出そうが、尚治は長流と千城の関係を知っている。
ここに千城を連れてきたのは、一人飲みで声をかけられる確率を減らしたかったことと、カモフラージュを余裕で作ってくれる度量の良さにあった。
更に千城の見目の良さは、確実に男の子の意識を引くだろう。
おかげで隠れた席でも、尚治が気付くことになったのだから。
尚治はそっと彼の肩を押し戻していた。
人前でイチャイチャするのは好みではない…というふうにも捉えられる。
尚治を見つめる視線の熱さ、絡みつくようなアピールに、ようやく気付いたのだろうか…。
尚治の態度が硬化したような気がした。
そのことに少し安堵を覚えてしまったのだけれど…。
「僕…トイレ、行ってこようかな…」
「あぁ、だったらついていってやるぞ」
こういった店の『トイレ』がある種の何を表現するのか、男の子は理解できているはずだ。
それをどんな言葉で尚治に伝えるのだろう。
立ちあがった長流と千城に、他の客からも視線が注がれるのを肌で感じた。
おまけにも千城は不敵な笑みを浮かべながら、長流の背に片手を添えてくれたのだから…。
この見栄えの良さを有効的に使ってくれる根性に、半ば呆れていたりもする。
十中八九、尚治は勘違いしていないと信じながら…。
疑問は駆け引きに変わる。
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立て続けのup申し訳ございません。
長流の隣で千城が面白そうにフッと口角を上げるのがわかった。
完璧楽しまれている…、弱みを握られているのは充分なくらい承知しているけれど…。
長流が追いかけたくなる気持ちを抑えられなかった結果だ。
尚治の浮気の心配はないと信じている部分がありながら、やはり現場確認はしたくなる。
尚治の人柄の良さが発されれば、相手に余計な気持ちを植え付けていた。まるで気があるかのように…。
そんなつもりは全く無い尚治なのだから、ある意味、相手が気の毒に思えるところもあったが…。
何の会話をしているのかはこちらからでは聞きとることができない。
一気に尚治の腕に抱かれるように寄り添った小柄な男に、また尚治に対しても、「おーい、おーい、オーイ」と長流の内心で突っ込みが入っていた。
まさかとは思うが、このまま『慰める』行動には出ないだろうな…。
『男に興味がない』…とは一番近くにいる長流が良く知っていることではあったけれど、甘えられて見放せない尚治の性格も、誰より知るところだ。
少しばかりの説明をしただけで、千城は状況を把握してくれた。
そして現在に至っている。
千城にしてみたら、千城と英人の件で散々振りまわしてきた謝罪の意味も含まれるのだろうか。
あとは…、やはり好奇心だろう。
「日野の浮気現場、発見か?まぁ、アイツはそんな不真面目な人間ではないと思うが」
「それ、何?僕ならありえるってこと?」
過去の不貞…どころか、成り行きの行動を千城は知り過ぎるくらい知っている。
性格を比べられているようで長流は余計に不機嫌になった。
今は違う、と言いたい気持ちは通じているからこその、嫌味なのだろうけれど。
「神戸はどうしたい?こちらに煽られてその気になった日野を追い掛けて、完全な証拠をつかみたいのか?」
「どこまでするのかは見てみたいけれど…」
「おまえ、本当に陰湿な性格、しているな」
呆れと苦笑が混じり合って、でもさりげないほどの視線の動かし方で、状況を見守っていた。
千城の洞察力の高さには閉口するところもある。
その先に待ち受けるものを、尚治だって充分なほど想像できるだろう。
今、肝に銘じさせたいのは、親切心の裏側にある危機感だ。
とにかく尚治は人が良過ぎる。それ故、狙われることも多いこと。
長流と千城がそれなりの雰囲気を見せることで、相手の男はつけ上がり、ますます尚治に絡みだすだろう。
その時、男に興味のない尚治がどんな態度にでるのか…。また今後の対応をどう変えていくのか…。
当然一番心配していたのは、年上の自分より、若い子に視線を向けられることだったのだが。
気遣われるのか、千城には「それはない」と断言されていたけれど…。
自分以外の男を知らない尚治の考えまでは、長流には読めなかった。
ちらりちらりと視線を向けてくる、あちらの二人の動きは確認できていた。
男の子については、尚治の一番近くにいるのは自分だとアピールしたい視線だ。
尚治は何故長流と千城が一緒にいるのかの疑問と、その場を離れられない、優しさ…。
この場所で男の子に降りかかる災難のようなものを危惧しているのだろう。
その好意を分かってくれとこちらに向けられても…、尚更腹の虫が収まらないという状況にさせてくれる。
フッと笑った千城が、「なんだったらキスの一つでもしてやろうか」と長流を挑発してきた。
対人面に関する雰囲気作りには普段の生活から長けていたし、海外で暮らしていた経験もあって、それくらいは挨拶の一つの中に括り入れてくれる。
だからといって、明らかに自分のほうが、分が悪い状況には持ち込めなかった。
たとえ、どんな雰囲気を作り出そうが、尚治は長流と千城の関係を知っている。
ここに千城を連れてきたのは、一人飲みで声をかけられる確率を減らしたかったことと、カモフラージュを余裕で作ってくれる度量の良さにあった。
更に千城の見目の良さは、確実に男の子の意識を引くだろう。
おかげで隠れた席でも、尚治が気付くことになったのだから。
尚治はそっと彼の肩を押し戻していた。
人前でイチャイチャするのは好みではない…というふうにも捉えられる。
尚治を見つめる視線の熱さ、絡みつくようなアピールに、ようやく気付いたのだろうか…。
尚治の態度が硬化したような気がした。
そのことに少し安堵を覚えてしまったのだけれど…。
「僕…トイレ、行ってこようかな…」
「あぁ、だったらついていってやるぞ」
こういった店の『トイレ』がある種の何を表現するのか、男の子は理解できているはずだ。
それをどんな言葉で尚治に伝えるのだろう。
立ちあがった長流と千城に、他の客からも視線が注がれるのを肌で感じた。
おまけにも千城は不敵な笑みを浮かべながら、長流の背に片手を添えてくれたのだから…。
この見栄えの良さを有効的に使ってくれる根性に、半ば呆れていたりもする。
十中八九、尚治は勘違いしていないと信じながら…。
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長流も千城を連れて来るとは、中々やりますね~
海千山千の長流と 海億山億(?)の千城がタッグを組めば、
こんな年下の男なんか ”赤子の手を捻る”様なもんだってぇーヽ( ̄▽ ̄)ノ ナハハ♪
尚治!友達思いは良い事だけさぁー
こんな秋波を送って来る勘違い野郎は さっさと縁を切った方が 今後の為だよ~♪
エンガチョ!( ・ω・)_/スパッ !(・Д・:)エッ!?...byebye☆
海千山千の長流と 海億山億(?)の千城がタッグを組めば、
こんな年下の男なんか ”赤子の手を捻る”様なもんだってぇーヽ( ̄▽ ̄)ノ ナハハ♪
尚治!友達思いは良い事だけさぁー
こんな秋波を送って来る勘違い野郎は さっさと縁を切った方が 今後の為だよ~♪
エンガチョ!( ・ω・)_/スパッ !(・Д・:)エッ!?...byebye☆
けいったん様
おはようございます。
> 長流も千城を連れて来るとは、中々やりますね~
>
> 海千山千の長流と 海億山億(?)の千城がタッグを組めば、
> こんな年下の男なんか ”赤子の手を捻る”様なもんだってぇーヽ( ̄▽ ̄)ノ ナハハ♪
億って(爆)
最強コンビですね。
どんなことでも思いつきそう。
そしてやっちゃいそう。
年下君、けちょんけちょんにされちゃうことでしょう。
> 尚治!友達思いは良い事だけさぁー
> こんな秋波を送って来る勘違い野郎は さっさと縁を切った方が 今後の為だよ~♪
> エンガチョ!( ・ω・)_/スパッ !(・Д・:)エッ!?...byebye☆
ショウちゃんがはっきりとした態度にでてくれればね~。
妥協するような甘やかした姿勢でいるから変な誤解がどんどんと産まれちゃうんだよね。
今もそうだ~っ!!
恋人のフリなんてしちゃぁ、いけないんだよって気付くのかなぁ。
それを希望してくるお友達っていうのもね~。
コメントありがとうございました。
おはようございます。
> 長流も千城を連れて来るとは、中々やりますね~
>
> 海千山千の長流と 海億山億(?)の千城がタッグを組めば、
> こんな年下の男なんか ”赤子の手を捻る”様なもんだってぇーヽ( ̄▽ ̄)ノ ナハハ♪
億って(爆)
最強コンビですね。
どんなことでも思いつきそう。
そしてやっちゃいそう。
年下君、けちょんけちょんにされちゃうことでしょう。
> 尚治!友達思いは良い事だけさぁー
> こんな秋波を送って来る勘違い野郎は さっさと縁を切った方が 今後の為だよ~♪
> エンガチョ!( ・ω・)_/スパッ !(・Д・:)エッ!?...byebye☆
ショウちゃんがはっきりとした態度にでてくれればね~。
妥協するような甘やかした姿勢でいるから変な誤解がどんどんと産まれちゃうんだよね。
今もそうだ~っ!!
恋人のフリなんてしちゃぁ、いけないんだよって気付くのかなぁ。
それを希望してくるお友達っていうのもね~。
コメントありがとうございました。
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