長流が心配しようが、何の気なしに会話を続け、挙句の果てには、閉店後に違う店で飲み直そうという話まで湧いていた。
もともと夜の世界で生きていた尚治は、明け方までの時間に、とても強かった。
それに悩まされた長流の体もあったかもしれないけれど…。
待てない時間のことを誰より尚治が知っている。
親切にも「長流、明日、早いだろ?」と心配される。
つまり、一人で寝ろ…ということだ。
「ショウ…」
もう一度引き止めるセリフをさり気なく吐いてみたものの、全く(←強調)気にされなく放置された。
その影に見えた、あの男の子の視線が何とも言えない攻撃になる。
理解できていない尚治に、どう言っていいものなのか…。言ったところで理解はされないのだろう。
売り上げを気にしているのかもしれないが、この店を護っていきたいと思う、仲良くしたい尚治の性格に、何と言えばいいのだろうか…。
その影で狙ってくる存在…。
人に気を使い、それぞれの立場を把握して寄り添っていく人の優しさを持ち合わせた、心優しさのある人…。
だからこそ長流も惹かれたし、男に興味がなくてもその道に零れてくるように体を使った。
これまで遊んだ数はお互いにあり過ぎるほどあるのだから、この一度で堕ちるとは思わなかったけれど…。
最終的に尚治は長流に転がってきてくれた過去がある。
誰に対しても優しさを見せる尚治の姿は、長流の自慢でもあった。
それが店のウリでもあったけれど…。
こんなふうにあからさまに客にモーションをかけられるのは腑に落ちないことであり、尚治に気付かせたいものでもあった。
ふふっと笑みを浮かべる客が、何より気に入らない。
「外に飲みにいくの?じゃあ、僕も…」
長流の提案は呆気ないほど簡単に却下された。
気付かない恋人…、本当に恨めしい。
「長流、遅くなって眠くなっちゃうよ」
「まだ平気…」
「無理しなくていいのに」
気遣ってくれる尚治の発言に被さって聞こえてくるものは完全な嫌味だった。
同じように、夜の世界で生きるのは自分だといいたいようなもの…。
生きてきた世界観を違うものと知らしめられるのだろうか。
これ以上の大人げなさは晒せなかった。
単純なプライドだし、何があったのか聞けば答えてくれるという安堵感を尚治には抱えている。
それでもモヤモヤとしてしまうものは、完全な嫉妬心だった。
今はただ、だまって見送るしかない。
それだけ物分かりがいいとみせたかった。
そして、絶対に浮気はしないという信頼があると、陰ながら信じ込ませてしまうもの。
あの男の目に、惑わされることはないと信じる。
今は長流の色気だけに惑わされてくれればいい。
閉店間際、最後の客になった男は、確かに尚治を待っていた。
袖口を抑えるだけの長流に、意味は理解できているだろう。
ニコリと笑われて心配するなと宥められる。
年下のくせに、この余裕って…。
「飲みに行ってくるだけだから」と単純な友人付き合いを言われて、やっぱりここでも何も言えなくなる。
客足の為なのか、尚治の付き合いがあるからなのか…。
プライド…ってなんだろう…と長流は胸の内で悩んだ。
堂々と言ってのけられたらいいのに。
だけどノンケだった尚治にしてみたら、働いていた環境があったとしても、公開できることではないだろう。
ましてや自分が狙われていると理解できてくれるのだろうか…。
「すっごいムカつくっ。ってか、どうやって分からせたらいいのっ」
長流の悩みは闇の中に消えていた。
人の良さは分かっているけれど…。
それが尚治の良さなのだと理解もしているけれど…。
いつか、自分の時のように、男に対しての危機感がないことを、何より心配した。
あの若い子が善がった時、尚治はどう振舞うのだろう。
もちろん、それが分かった時、居場所なんてないほど叩きのめすけれど…(←か、かんべさん…)
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もともと夜の世界で生きていた尚治は、明け方までの時間に、とても強かった。
それに悩まされた長流の体もあったかもしれないけれど…。
待てない時間のことを誰より尚治が知っている。
親切にも「長流、明日、早いだろ?」と心配される。
つまり、一人で寝ろ…ということだ。
「ショウ…」
もう一度引き止めるセリフをさり気なく吐いてみたものの、全く(←強調)気にされなく放置された。
その影に見えた、あの男の子の視線が何とも言えない攻撃になる。
理解できていない尚治に、どう言っていいものなのか…。言ったところで理解はされないのだろう。
売り上げを気にしているのかもしれないが、この店を護っていきたいと思う、仲良くしたい尚治の性格に、何と言えばいいのだろうか…。
その影で狙ってくる存在…。
人に気を使い、それぞれの立場を把握して寄り添っていく人の優しさを持ち合わせた、心優しさのある人…。
だからこそ長流も惹かれたし、男に興味がなくてもその道に零れてくるように体を使った。
これまで遊んだ数はお互いにあり過ぎるほどあるのだから、この一度で堕ちるとは思わなかったけれど…。
最終的に尚治は長流に転がってきてくれた過去がある。
誰に対しても優しさを見せる尚治の姿は、長流の自慢でもあった。
それが店のウリでもあったけれど…。
こんなふうにあからさまに客にモーションをかけられるのは腑に落ちないことであり、尚治に気付かせたいものでもあった。
ふふっと笑みを浮かべる客が、何より気に入らない。
「外に飲みにいくの?じゃあ、僕も…」
長流の提案は呆気ないほど簡単に却下された。
気付かない恋人…、本当に恨めしい。
「長流、遅くなって眠くなっちゃうよ」
「まだ平気…」
「無理しなくていいのに」
気遣ってくれる尚治の発言に被さって聞こえてくるものは完全な嫌味だった。
同じように、夜の世界で生きるのは自分だといいたいようなもの…。
生きてきた世界観を違うものと知らしめられるのだろうか。
これ以上の大人げなさは晒せなかった。
単純なプライドだし、何があったのか聞けば答えてくれるという安堵感を尚治には抱えている。
それでもモヤモヤとしてしまうものは、完全な嫉妬心だった。
今はただ、だまって見送るしかない。
それだけ物分かりがいいとみせたかった。
そして、絶対に浮気はしないという信頼があると、陰ながら信じ込ませてしまうもの。
あの男の目に、惑わされることはないと信じる。
今は長流の色気だけに惑わされてくれればいい。
閉店間際、最後の客になった男は、確かに尚治を待っていた。
袖口を抑えるだけの長流に、意味は理解できているだろう。
ニコリと笑われて心配するなと宥められる。
年下のくせに、この余裕って…。
「飲みに行ってくるだけだから」と単純な友人付き合いを言われて、やっぱりここでも何も言えなくなる。
客足の為なのか、尚治の付き合いがあるからなのか…。
プライド…ってなんだろう…と長流は胸の内で悩んだ。
堂々と言ってのけられたらいいのに。
だけどノンケだった尚治にしてみたら、働いていた環境があったとしても、公開できることではないだろう。
ましてや自分が狙われていると理解できてくれるのだろうか…。
「すっごいムカつくっ。ってか、どうやって分からせたらいいのっ」
長流の悩みは闇の中に消えていた。
人の良さは分かっているけれど…。
それが尚治の良さなのだと理解もしているけれど…。
いつか、自分の時のように、男に対しての危機感がないことを、何より心配した。
あの若い子が善がった時、尚治はどう振舞うのだろう。
もちろん、それが分かった時、居場所なんてないほど叩きのめすけれど…(←か、かんべさん…)
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