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BLの丘
晴れ時々雨、また土砂降り 10(最終話)
2012-08-01-Wed  CATEGORY: 晴れ時々
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


後孔を舐め上げるとヒクヒクと収縮する。
手のひらに握り締めた陰茎を緩く扱きながら、襞を伸ばすように舐め上げて、舌先を潜り込ませる。
濡らしてから、もう片方の指を差し込む。
少し引き攣る感じがするのは、唾液だけでは足りない証拠だろう。
零れ出てくる滴を掬い取り、今度はそちらの指を嵌めた。
「あっ…っ、んっん…」
忙しかったシャワーの中で、前準備なんてできていない。
キツさを味わいながら、尚治はゆっくりと指の付け根まで入れこんだ。
熱い…うねる内肉が指を締め付けてくる。
…これだから…、と尚治の内心に苦笑が生まれる。
長流が熟達しているのか、自分が未熟なのかは分からないが、挿入してしまえば、「はやく…」と望んでしまうのは尚治のほうだ。
またそれは、長流の負担を考えずに次へと進むことにもなりかねないのだけれど…。
先に長流だけを充分なほど昂らせたほうがいいとは、今までの付き合いの中で学んだことかもしれない。
ただ、今日だけは少々勝手が違っていたが…。

指を増やして中を探る。どこが感じるのかも、どんな反応を見せるのかも、知ってはいたけれど、感情のもつれがまた別の動きを見せてくれる。
意外な楽しみになってしまった感が否めない…。
「ショウ…」
懇願する瞳を向けられては、尚治の自制心も吹っ飛ぶというもの。
そんな態度を、口にしなかったけれど、やはり…可愛いと思った。

尚治は膝裏を抱え上げた。片足を肩にかけさせてグッと折り込むと、窄まった秘部が大きく開かれる。
自分の怒張から滴る体液を擦りつければ、飲み込みたそうにヒクヒクと震えた。
「ショウ…っ…」
焦らすな…と言いたいのだろうか。
歪んだ顔中にキスの雨を降らせ、「挿れるよ…」と分かり切ったことを囁く。
「ん…っ」
返事が早かったのか、亀頭が抉ったのが早かったのかは微妙なところだ。焦っているのは尚治も一緒。
「あ…っ」
絡みついてくる肉筒に揉まれながら、尚治の雄芯は徐々に最奥を目指した。
全てを押し込め、締め付けてくる苦しさに圧倒され、だけどどうにか自分の意識を保とうとする。
「長流…」
囁いてはくちづけて、長流の苦しさをほぐそうとした。
いくら慣れている、とは言っても、キュウキュウに締め付けられるのは尚治にとっても辛い。
体の力を抜いて…と…。

ほんのちょっとのすれ違いが解決して、更なる信頼関係を築き、お互いの想いをより一層感じる。
近くにある、幸せだ…と思える時でもあった。
いつもと違う表情や態度は確かに意外な楽しみかもしれないけれど…。
『安全』の中で暮らしたいと思うのは性格なのだろうか。
どうあれ、今日のように精神を痛まされるようなことは起きてほしくない。

「う…ご…ぃて…」
「平気?」
もっと感じたい…と切望されては、堪えることなんてできない。
ゆっくりと引き抜き、また差し込んでいく。
スライドを繰り返すたびに、汗で湿った尚治の肩から長流の脚が零れ落ちた。
「あぁっっ」
角度が変わったのか、一際大きい嬌声が漏れた。
でも気持ちを表すように、長流の両足が尚治の腰に絡みつき、より密着する。腕は首に巻かれ、苦しさの中でも、何度もくちづけを求められた。
腹の間で擦られる長流の分身が、悦んでいると伝えてくるように、涙を零し続けた。
数度の抜き差しの後、尚治の動きが激しくなれば、同調するように長流も合わせてくる。
…体の相性ってあるんだなぁ…、などと、呑気な思考が脳裏を掠めていった。
これ以上もこれ以下もない、特別で、最適なパートナー。

いつもはギリギリまで耐える、…待つのに、正直な解放を望むのか、長流は呆気ないほど早く白濁を迸らせた。
その波に、やはり尚治も飲み込まれてしまう。
「あ、あぁ、っ、はぁっ…っ」
「…っ」
最後まで絞りだそうとするのか、首に巻かれた腕に力が入れられ、全身を抱き寄せられ、擦りつけられる腹と、体内の圧迫に尚治も眉をしかめるしかない。
奥深くに自分の液を注ぎ込む。

ふたりの体が弛緩して、パタリと長流の両足がシーツの上に落ちていく。
やっぱり、いつもと違う…と尚治は胸の内で思いながら、恍惚とする長流の頬に指を這わせる。
「こんな長流に出会えるなんて…」
年上と思っていたけれど、どこまでも並んだ存在。
一つの壁が取り払われたような気すらした。
頼るだけでなく、甘えられることも、付き合う二人にとって必要なこと。
息を整えようと胸を大きく仰がせる長流が、どことなく戸惑ったように視線を合わせてきた。
「ショ…」
何か言いたそうな瞳は、縋りついてくるもの…。
どうしたのかと尚治はもっとその瞳を覗き込んだ。

照れを纏う、眦の火照り…。
これも珍しいことだ。
その眼差しは色気をたっぷりと含んでいて、吐き出したばかりの雄がドクンと脈打った。
「っあっ…ぁっ…」
胎内の中が一番感じているのだろう…。
開き直った態度は大人の強みか…。長流から強請る息が吐き出された。
「…もっと…」
掠れる声に含まれた願望の声が余計に尚治を昂らせていく。
この誘い方だけは…。
苦笑の下に、でも逆らえない欲望の渦がまた湧きおこってくる。
全身を抱きしめ返したら…。
「ショウだけだよ…」と新しい告白が聞こえた。
「うん…」
尚治が抱えた不安を払拭してくれる。
当てつけられることを嫌だと言った尚治への答え。
また返せば、長流も、今回のような落ち着きの無さを感じたくないというものに繋がる。
やっぱり年上も年下もないんだよ…。想うことは一緒なのだから…。
心に嬉しさが満ちていく。
抱いた体は男のもので…。そう簡単に折れるものではないけれど…。自分よりも華奢な体が、やはり弱い精神状態を表しているように見てとれた。

…ずっとこうやって包んでいってやるから…。

尚治の内心で囁かれ誓われた台詞を、長流は聞くことがないだろう。
いや、いつか言うことがあるのだろうか…。聞いたところで悔しがるだけだろうけれど。

揺れ動いてしまう体の下、しっかりとしがみついてくる見た目よりも細い体が、何よりも愛おしいものになった。
少しのすれ違い、それ以上に繋がる絆…。

…雨の日も晴れの日も、共に歩もう…。

―完―

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相変わらず、視点が変わりまくってすみませんでした…。
もうちょっと長流の感情を書く気でいたんですけれど…。頭からすっぽり抜け落ちてしまいました。
でも今回、どことなくお子様になってしまった長流と、包んでしまう尚治だったということで…(←保育士)
リク主様、こんなものですみませ~んっ。




余談

長流が住んでいるマンションは、『榛名』の物件であって、すでに"お買い上げ済み"です。
どれだけ値切ったかは知りませんが、たぶん、ローンというものはほとんどないでしょうね。
ショウちゃん、家賃、ないってよ~。良かったね~。その分、体でごほうし…∑(゚o゚C=(__;バキッ…いえ、何も…
お店に作った仮眠室は、万が一のことを考えて、長流なりの配慮です。
どこか、逃げ道をつくっておいてあげないと、考えることもできなく、詰まっちゃうからね。
でも迎えに行くんだろうね。
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コメント

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日野くん
コメントちー | URL | 2012-08-01-Wed 04:30 [編集]
完結お疲れさまでした。

いつも大人な感じの神戸さん、若いくせに人生達観した感がある日野くん。
二人の人間らしい一面が読めて良かったです。
ヤキモチ焼くのね、二人もとか。

たまには、保育士さんなんか休んで神戸さんと二人でノンビリしてきたら?
けど、多分・・・いや、絶対に。
園児と保護者達に邪魔されるだろうけど(笑)


Re: 日野くん
コメントたつみきえ | URL | 2012-08-01-Wed 07:16 [編集]
ちー様
おはようございます。

> 完結お疲れさまでした。
>
> いつも大人な感じの神戸さん、若いくせに人生達観した感がある日野くん。
> 二人の人間らしい一面が読めて良かったです。
> ヤキモチ焼くのね、二人もとか。

無事書き終わってホッとしています。
ご希望通りのものが書けたか不安はありますけれど。
この二人、開き直っている、みたいなところがあるのに、内心は穏やかじゃないものを抱えていたりするんですね。
まぁ、思いあっている証拠です。

> たまには、保育士さんなんか休んで神戸さんと二人でノンビリしてきたら?
> けど、多分・・・いや、絶対に。
> 園児と保護者達に邪魔されるだろうけど(笑)

そうね。たまにはね。
いつも振り回されているものね~。
でもね、保護者も保育士がいないと大変だからね。
きっと手放さないですよ(笑)
コメントありがとうございました。

ありがとうございました~
コメントりん | URL | 2012-08-01-Wed 07:52 [編集]
やーん、神戸ちゃんが可愛くなったーっ。
結局保育士のほうが大人だったってことですねっ。
えぇわかります。
小悪魔神戸ちゃんは、どこまでも女王様ですからっ。

あ、でも神戸ちゃんがほんとに警戒すべきは
やっぱ保育園でいちゃついてるヒサなのかも(笑)。

降ってわいたリク特典、こんなに楽しく
叶えていただけて、すごい嬉しかったです。
あぁほんと満足です~。ありがとうございました~。
これからもこの2人贔屓で応援してまいります^^。
No title
コメントけいったん | URL | 2012-08-01-Wed 08:55 [編集]
出会った時は、社会的地位、年齢など対等と言え無かったかもしれない
だけど 互いを要し共に生きて行こうと決めた時から そんなものは無に等しくなる
相手が自分にとって どれだけ大切な存在かを知れて 偶には こんな事もありかな?

これからも時々は、保護者や園児の顔を外した恋人の姿も 見られたら嬉しいです。

キリリクをゲットされ 素敵なリクをされた方(りんさんでいいのかな?)と、
そして リクに応えて素敵な作品を書いてくれた きえ様のお二人に感謝と ありがとうを♪

♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪...byebye☆

 
Re: ありがとうございました~
コメントたつみきえ | URL | 2012-08-01-Wed 10:03 [編集]
りん様
こんにちは。

> やーん、神戸ちゃんが可愛くなったーっ。
> 結局保育士のほうが大人だったってことですねっ。
> えぇわかります。
> 小悪魔神戸ちゃんは、どこまでも女王様ですからっ。

恋人の前では甘えたくなっちゃうんだよね~。
いままで被っていた仮面は剥がれました。
女王様もうまく宥めてしまう保育士(←ある意味最強ですね)

> あ、でも神戸ちゃんがほんとに警戒すべきは
> やっぱ保育園でいちゃついてるヒサなのかも(笑)。

このふたりもね~っ。
下心なく、お互いじゃれあっていますから。
そこは本当に"お友達"なんですよ~。
心配することはないですよ~。

> 降ってわいたリク特典、こんなに楽しく
> 叶えていただけて、すごい嬉しかったです。
> あぁほんと満足です~。ありがとうございました~。
> これからもこの2人贔屓で応援してまいります^^。

こちらこそ、リクをいただき、カラッポの頭が開花しました。
こんなものでも喜んでいただけたようで書いた甲斐がありました。
日陰的なCPなのに、目を向けてくれて私も嬉しいです。
是非今後もよろしくお願いします。
コメントありがとうございました。

Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2012-08-01-Wed 10:13 [編集]
けいったん様
こんにちは。

> 出会った時は、社会的地位、年齢など対等と言え無かったかもしれない
> だけど 互いを要し共に生きて行こうと決めた時から そんなものは無に等しくなる
> 相手が自分にとって どれだけ大切な存在かを知れて 偶には こんな事もありかな?

出会った頃とは変わってきましたよね。
それもふたりの良い関係があるからなのでしょう。
今は相手と同等の立場にたつことが信頼につながると分かったのではないでしょうか。

> これからも時々は、保護者や園児の顔を外した恋人の姿も 見られたら嬉しいです。

この前、千城と英人も書いたしね。
保育園を離れた恋人同士、久し振りに書くと、私も新鮮です。
何かの機会に書いて行けたら…いけたら……(書けるのか?!)

> キリリクをゲットされ 素敵なリクをされた方(りんさんでいいのかな?)と、
> そして リクに応えて素敵な作品を書いてくれた きえ様のお二人に感謝と ありがとうを♪
>
> ♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪...byebye☆

キリ番様との二人三脚で書き終わりました~♪
そして読んでくださったけいったん様を始め、読者様にも感謝いたします。
コメントありがとうございました。
 
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