アンケートを完全に無視したものですみません。
だって、思いついちゃったんだもん…。
日野尚治(ひの しょうじ)は自分が働くバーで、恋人である神戸長流(かんべ たける)の予定を聞く。この店自体が長流の所有物で、雇われオーナーという形の尚治は、これといって逆らうことなど出来ないのだが。自分勝手な経営状態には、多少なりとも文句が出る。
そこは"恋人"としての立場があるからだろう。6歳年上だが、怯むこともない。同等な立ち位置を望んだのは、他ではない長流の希望だった。
「撮影があるんだったら、行けばいいじゃん。何で店を閉めなきゃなんないの?」
疑問は素直に口にされる。
企業広告を請け負う長流が、様々な場所に撮影に出かけることなど、今に始まったことではない。自分で会社を持つから、スタッフを連れてアチコチに飛び回っているのもいつものことだ。日帰りや宿泊を伴うもの、様々だが、尚治は仕事と思って口を挟むことはしてこなかった。
自分が自由にやらせてもらっていることもあるだろう。
それが今年の年末は違った。
「一緒に来て」と言われては戸惑う。
五日間だ。実質、店は一週間の閉店といっていい。
そのことを尚治は戸惑った。
雇っている人間のこともある。第一、自分が長流の現場に付いていって、何ができるというのだろう。
彼の仕事を邪魔をする気はないし、明らかに自分が時間を持て余すことも想像できた。
カリブ海を前にして、何をしていろと言うのか…。
雇っている人間(一葉)の保護者(安住)は、あっさりと、「閉めてくれていいよ」と給料なんて気にしていない返事をくれる。もともと、働かせる気なんてないといった具合だ。
そこはすでに知っていたことだが…(何せ、セレブの暇つぶしの場でしかない)。
「長流ぅ。仕事だろ? スタッフと一緒に行けばいいじゃん…」
「べつにショウ一人連れていくのなんて雑作もないんだけど。それとも何? 僕がいない間に何かしたいとかあるの?」
そんな疑いの声もかけていただきたくないが…。独身貴族を、鬼の居ぬ間に楽しもうなんていう気はこれっぽっちも思うところはない。
なかなか、二人での旅行もないから、"ついで"という気もあるのだろう。
疑われるのは本意ではないし、ここは大人しく従うべきなのだろうが、長流の仕事関係の人間に関わるのも、正直、抵抗が生まれるところだ。
なにより、自分がどういうふうに見られるのか…。
「ショウが同行が嫌だって言うのなら、後から来ればいいよ。僕、休暇っていう形で現地で待っているから。今年の冬の旅行、みんなとは別行動になっちゃうけどね」
「俺、一人で飛行機に乗れと?」
「もう、何回か行っているでしょう?」
「全部(千城と添乗員に)連れて行ってもらったものだよっ。一人で移動できるはずがないじゃんっっっ」
言うなれば、知識も教養もないビンボー人だ。ここ最近の付き合いで色々覚えたことはあるかもしれないが、飛び出す勇気まではない。
意外と小心者だと思うのは、トラブルを避けた人生経験があるからだろうか。
何事も自分でこなしてしまう長流とは違う。そんなところで、相手のすごさを感じるところでもあったが。
「だからって、ぜーったいにあの連中は連れてこないでっ。千城には僕から言っておくからっ」
それこそ、撮影の邪魔はされたくないし、また千城もする気がないのはこれまでの付き合いで知っている。
この時にも、長流は千城の満足が得られるように、英人の休暇を許していることを知った。つまり、同行することはない。代わりに選ばれたのが自分だったようだ…。スタッフとは違ってご一緒したい"一人の人間"である。喜べるべきことか。
長流が何故、仕事にかこつけて尚治を呼んだのかもなんとなく悟れてきた。
"隔離"だ。安息なのかもしれない。仕事の合間に宿る精神。
友人から頼まれたなら千城の答えも知れてくる。
時と場所をしっかり把握した人は、長流の希望を汲み取ってくれることだろう。
より良いものを生み出す環境は、絶対的に守られている。それも同じ経営者として分かること。
千城はそのために手を貸している。
旅行に同行し、自分が長流のためになるのだと知れるのは、嬉しいが…。
今年の遠足は、皆が揃うことはないのだろうか。
それはそれでまた、気にかけるものがなくありがたいことでもあった。
結局尚治は、神戸の日程に合わせた行動をとることになった。
到着した先、スタッフと同じホテルでないと困るから、と言った長流は、中級クラスのホテルを選んでいたようだ。そこまで経費を使えないことも理解する。
それでも、お国柄からしたら高級なほうだろう。
窓の外には青々としたカリブ海が見渡せるオーシャンビューだ。
ソファセットと家電機器が備え付けられた室内は、見慣れた日本国内の安いシティホテルよりも充実している。
言葉が通じないのが一番の難関だったけれど。長流がいれば問題もない。
いつもこうやって仕事をしているのか…。
見慣れない光景は、また、新鮮だった。
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アンケートリクエスト、本当にありがとうございます。
何のためにアンケートを取っているのか分かりませんの状態ですが。
過去の野崎美琴にも驚きましたが、今回の日野&神戸もまた理解できないでいるダメダメ作者です。
ある意味…書いていないところが多いから、すんなり浮かんでしまうのでしょうかね。
いえ、アンケートを取ったから、改めてそのキャラを見直すことができたのかもしれません。
思い浮かんだ時に書かないと、脳から消えちゃうからね。(←痴呆症?)本当にすみません。
あと、ホテル事情は私個人の意見です。
絶対に鵜呑みにしないでください。
だって、思いついちゃったんだもん…。
日野尚治(ひの しょうじ)は自分が働くバーで、恋人である神戸長流(かんべ たける)の予定を聞く。この店自体が長流の所有物で、雇われオーナーという形の尚治は、これといって逆らうことなど出来ないのだが。自分勝手な経営状態には、多少なりとも文句が出る。
そこは"恋人"としての立場があるからだろう。6歳年上だが、怯むこともない。同等な立ち位置を望んだのは、他ではない長流の希望だった。
「撮影があるんだったら、行けばいいじゃん。何で店を閉めなきゃなんないの?」
疑問は素直に口にされる。
企業広告を請け負う長流が、様々な場所に撮影に出かけることなど、今に始まったことではない。自分で会社を持つから、スタッフを連れてアチコチに飛び回っているのもいつものことだ。日帰りや宿泊を伴うもの、様々だが、尚治は仕事と思って口を挟むことはしてこなかった。
自分が自由にやらせてもらっていることもあるだろう。
それが今年の年末は違った。
「一緒に来て」と言われては戸惑う。
五日間だ。実質、店は一週間の閉店といっていい。
そのことを尚治は戸惑った。
雇っている人間のこともある。第一、自分が長流の現場に付いていって、何ができるというのだろう。
彼の仕事を邪魔をする気はないし、明らかに自分が時間を持て余すことも想像できた。
カリブ海を前にして、何をしていろと言うのか…。
雇っている人間(一葉)の保護者(安住)は、あっさりと、「閉めてくれていいよ」と給料なんて気にしていない返事をくれる。もともと、働かせる気なんてないといった具合だ。
そこはすでに知っていたことだが…(何せ、セレブの暇つぶしの場でしかない)。
「長流ぅ。仕事だろ? スタッフと一緒に行けばいいじゃん…」
「べつにショウ一人連れていくのなんて雑作もないんだけど。それとも何? 僕がいない間に何かしたいとかあるの?」
そんな疑いの声もかけていただきたくないが…。独身貴族を、鬼の居ぬ間に楽しもうなんていう気はこれっぽっちも思うところはない。
なかなか、二人での旅行もないから、"ついで"という気もあるのだろう。
疑われるのは本意ではないし、ここは大人しく従うべきなのだろうが、長流の仕事関係の人間に関わるのも、正直、抵抗が生まれるところだ。
なにより、自分がどういうふうに見られるのか…。
「ショウが同行が嫌だって言うのなら、後から来ればいいよ。僕、休暇っていう形で現地で待っているから。今年の冬の旅行、みんなとは別行動になっちゃうけどね」
「俺、一人で飛行機に乗れと?」
「もう、何回か行っているでしょう?」
「全部(千城と添乗員に)連れて行ってもらったものだよっ。一人で移動できるはずがないじゃんっっっ」
言うなれば、知識も教養もないビンボー人だ。ここ最近の付き合いで色々覚えたことはあるかもしれないが、飛び出す勇気まではない。
意外と小心者だと思うのは、トラブルを避けた人生経験があるからだろうか。
何事も自分でこなしてしまう長流とは違う。そんなところで、相手のすごさを感じるところでもあったが。
「だからって、ぜーったいにあの連中は連れてこないでっ。千城には僕から言っておくからっ」
それこそ、撮影の邪魔はされたくないし、また千城もする気がないのはこれまでの付き合いで知っている。
この時にも、長流は千城の満足が得られるように、英人の休暇を許していることを知った。つまり、同行することはない。代わりに選ばれたのが自分だったようだ…。スタッフとは違ってご一緒したい"一人の人間"である。喜べるべきことか。
長流が何故、仕事にかこつけて尚治を呼んだのかもなんとなく悟れてきた。
"隔離"だ。安息なのかもしれない。仕事の合間に宿る精神。
友人から頼まれたなら千城の答えも知れてくる。
時と場所をしっかり把握した人は、長流の希望を汲み取ってくれることだろう。
より良いものを生み出す環境は、絶対的に守られている。それも同じ経営者として分かること。
千城はそのために手を貸している。
旅行に同行し、自分が長流のためになるのだと知れるのは、嬉しいが…。
今年の遠足は、皆が揃うことはないのだろうか。
それはそれでまた、気にかけるものがなくありがたいことでもあった。
結局尚治は、神戸の日程に合わせた行動をとることになった。
到着した先、スタッフと同じホテルでないと困るから、と言った長流は、中級クラスのホテルを選んでいたようだ。そこまで経費を使えないことも理解する。
それでも、お国柄からしたら高級なほうだろう。
窓の外には青々としたカリブ海が見渡せるオーシャンビューだ。
ソファセットと家電機器が備え付けられた室内は、見慣れた日本国内の安いシティホテルよりも充実している。
言葉が通じないのが一番の難関だったけれど。長流がいれば問題もない。
いつもこうやって仕事をしているのか…。
見慣れない光景は、また、新鮮だった。
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アンケートリクエスト、本当にありがとうございます。
何のためにアンケートを取っているのか分かりませんの状態ですが。
過去の野崎美琴にも驚きましたが、今回の日野&神戸もまた理解できないでいるダメダメ作者です。
ある意味…書いていないところが多いから、すんなり浮かんでしまうのでしょうかね。
いえ、アンケートを取ったから、改めてそのキャラを見直すことができたのかもしれません。
思い浮かんだ時に書かないと、脳から消えちゃうからね。(←痴呆症?)本当にすみません。
あと、ホテル事情は私個人の意見です。
絶対に鵜呑みにしないでください。
こんばんは~。
> ごめんなさい(^人^)偶然来たらupしてあったので、読んじゃいました(テヘ)旅行いいよね(^.^)b
upされたものは読んじゃっていいんです。
慌てている時ほど、間違えて公開にしちゃっている私ですね…。
もう、何度、こんなことを繰り返したか…。
旅行、いいですよね。
熱いアンケートコメをいただいて、これしか浮かばなかった私でした。
読者様、いい加減、飽きられているのではないかというくらい、旅行記事で誤魔化しているんですよ。
本当は、恒例の『遠足』にしようかと思ったのですが、うるさいのはいないほうがいいだろう…と。
何が起こるのか分からないのが楽しい旅行です(←)
今夜の定時更新はありませんが、また明日、埋め合わせに昼間、upしたいと思います。
まだ何も書いていないから、気長にお待ちください。
コメントありがとうございました。
> ごめんなさい(^人^)偶然来たらupしてあったので、読んじゃいました(テヘ)旅行いいよね(^.^)b
upされたものは読んじゃっていいんです。
慌てている時ほど、間違えて公開にしちゃっている私ですね…。
もう、何度、こんなことを繰り返したか…。
旅行、いいですよね。
熱いアンケートコメをいただいて、これしか浮かばなかった私でした。
読者様、いい加減、飽きられているのではないかというくらい、旅行記事で誤魔化しているんですよ。
本当は、恒例の『遠足』にしようかと思ったのですが、うるさいのはいないほうがいいだろう…と。
何が起こるのか分からないのが楽しい旅行です(←)
今夜の定時更新はありませんが、また明日、埋め合わせに昼間、upしたいと思います。
まだ何も書いていないから、気長にお待ちください。
コメントありがとうございました。
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