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BLの丘
原色の誘惑 4
2012-08-16-Thu  CATEGORY: 原色の誘惑
在庫管理室の、本支社を繋ぐ端末の動きが鈍ったのは午前中らしい。
あちこちから入る注文などに対応しなければいけないのだが、たった数分のシャットダウンでもあればおおごとになる。
その状況を、乗り込んできたスケベ男は、いとも簡単に解決したようだった。

社員証および入社許可証を見せて、現場に辿り着くと、即座に点検と修理に取りかかった男がいた。メンテナンス員といっても作業着などではなく、きちんとスーツを着こなしている人だった。
その端にいたのが、由良だったようだ。
すぐに目に付いた…というのが正しい。


※視点変わります。すみませんm(__)m(こんな中途半端で~っ汗)

一瞬仕事を忘れたのかというような、甘酸っぱい視線を投げかけてきた男がいる。
その手の視線には慣れている由良は適当に誤魔化そうとした。
何か親しげに語られている眼差しだが、由良には分かるわけがない。(あたりまえだ。面識がないのだから)
更にしつこく迫ってくる存在に、先輩方を差し置いて、由良からは強い口調が出た。
過去の面識があるのならともかく…。初対面の人間に、追いかけられる筋合いはない。
「何っ?」
所詮、他社のメンテナンス員である。相手が年上だろうが、こちらが下手に出る必要はない、と、由良は判断していた。
執拗な視線が何よりも不愉快だったのだ。
その避け方は過去の経験もあるかもしれないが…。キツイ態度に出れば、食指が動かないと判断されるはずだ。

設備点検をしつつも、男はその場から離れられない由良の存在を知ったのだろうか。
忙しい他の人間に代わって、この場を任されている立場…。
作業員として当然といえる、平然と過ごそうとする態度でいながら、ほんの隙、さり気なく由良の耳元に寄せてきて唇がふぅっと息を吐く。
由良が体を捩ろうとしながらも、フッと笑う口元と耳に囁かれる口調が骨に疼いたのが早かったか…。
『トイレの君、可愛かったよ…』
誰にも聞かれていないだろう…。いないだろうが、それだけで由良の怒りの沸点は越えていた。
体験はなくても言いたい意味は充分なほど理解できる。
これこそ由利が味わったものだ。
吐息に快感は感じたが、虫唾にもなった。相反するものをこの男は持っている…。
ゾクリとする耳元の感触は、きっと由利も同じように感じるはずだ。
由利はたぶん分かっていないが、苦しめるものになる。
触れたら、必ず火傷をするという危機感が、由良の胸を襲う。
軽すぎる…そんな環境に由利を追いこみたくはない。
恨んでいるはずの人間…、その印象だけでいい。
まさか、こんなところで出会おうとは…。

そこにあったのは慕情なのか家族愛情なのか…、弟を護りたい越えた愛だったのか…。由良も分からなかった。
冷たい笑みが由良の頬に浮かんだ。…守るべきものを知っている強み…。
ねっとりとした、普段では絶対に流れない声音が相手の耳元だけに降った。
「あのさぁ…。本人と他人との違いも気付かない奴が何言ってんの?悪いけど、俺、由利じゃないし」
「なに、とぼけてんだよ…」
自信満々に言い放つ相手にけしかければ、掴まれた腕が何かの意思を込めた瞳を送ってくる。
明らかに由利に狙いを定めたものだ。たった一瞬の出会いが、この男に何を植え付けたのだろうか。
今、本人を前にしたら、どんな反応をするのかな…。
内心でクスリと微笑んだ。同時に不安もあった。
何が彼をここまで変えるのだろうか…。
自分しか知らなかったはずの由利の隠れた魅力を、この男は見出してしまった…ということなのだろうか。
そして、置いていかれる不安が湧きあがってくる。

完璧に追い詰めてくるもの…。
小さな震えが走る。
「俺、マジで、由利じゃない…」
「『由利』って誰だよ…?」
明らかに疑問を持って、目の前の不思議な状況を問うてくる。
まるで囁き合うような声が、束の間響いた。
穏やかだけど声音は狩りをする獲物を追った人物。優しそうな客相手の笑みを浮かべながら、その奥に秘められたものは…なんなのだろう。
腕の力だけで、再会できた偶然を”奇跡”として逃したくない意思がうかがえた。
『分からないなら詮索するな…』…とも言えたはずだ。でも声が出なかった。
この眼差しに逃す気がさらさらないのだと伝わってくる。どう言ったって聞かないだろう。
…証拠を突き出すまで…。
危機感があった…。

二人が揃ったなら…。
間違えたことを盾に叩きのめせばいい。
自分は絶対に由利のそばにいる。由利はこの男を選ぶことはない。
ただの”痴漢男”のままでいいのだから。
由良は口角を上げた。
その妖艶とも言える笑みに、一瞬怯んだのは男の方だ。

違いを由良は悟る。
…馬鹿が…。

「今、呼んでくるから待っていろよっ」
あんな馬鹿男につかまるか…っ。
この時間なら由利は食堂だろう。繋がるはずの携帯なんて使わなくったって、居場所くらい思い浮かんだ。
走った食堂までの廊下の先に由利の姿を見つけた。
ビンゴっ!!
「ユーリっ!」



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なんだか最近、視点が変わることばかりで読みづらいですよね…(汗)
ちょっとした裏話ってことだったんです。
次回からまたユーリ視点になりますので…ペコm(__)mペコ

過去と全然書き方が変わっているな…と痛感しているのですが…。
こんな調子でしか物事を進められません。
本当にごめんなさい。



「隊長~ぉ。今度は双子が狙われたようです」
「ちー隊員っ、そんなところまで調べるのかっ」(←監視係)
『ちー隊員もいろいろ大変な時期だろう…』
「いや…過去のくだらない記事を読んでいる余裕があるらしぃすよ」
『なんだと~(/□≦、)エーン!! おいらわ…オイラは…』
部隊「隊長がお忙しいのは、みんな分かっております~~~っっっっ」

すみません…。勝手な書きこみです…。
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コメント

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ふふふ
コメントちー | URL | 2012-08-16-Thu 00:44 [編集]
由良、由利に間違われて言い寄られたんだ。
フムフム。
もしかして、もしかして、三角関係になるのかしら?

双子って、そこまで似るよね、きっと。
それはそれで面白いだろうなあ。


タリラリタリラリタリラリラリラ♪
「隊長、隊長!兄ちゃんに次ぐ可愛い双子ちゃんがいますよー。監視しちゃって良いすか?良いっすよね?」

『監視は、一組だけにしろっ』

「え?隊長も気になります?なるよねー?わかりました。双子ちゃんの監視もしっかりやりまぁす♪あ、掃除腐さん、復帰されるみたいですよー。」


Re: ふふふ
コメントたつみきえ | URL | 2012-08-16-Thu 07:02 [編集]
ちー様
おはようございます。
日常がやってきたヽ(゚∀゚)ノ たった二日…。

> 由良、由利に間違われて言い寄られたんだ。
> フムフム。
> もしかして、もしかして、三角関係になるのかしら?
>
> 双子って、そこまで似るよね、きっと。
> それはそれで面白いだろうなあ。

由利と由良の違い、見分けられなかったんですね~。バカ男ちゃん。
狙ったのはいいんだけれどね。
由利のようにボーとしていなかった由良です。
そこはちょっと違った双子ちゃんです。

> タリラリタリラリタリラリラリラ♪
> 「隊長、隊長!兄ちゃんに次ぐ可愛い双子ちゃんがいますよー。監視しちゃって良いすか?良いっすよね?」
>
> 『監視は、一組だけにしろっ』
>
> 「え?隊長も気になります?なるよねー?わかりました。双子ちゃんの監視もしっかりやりまぁす♪あ、掃除腐さん、復帰されるみたいですよー。」

ちー隊員張り切っていますね~♪(←誰が吹っ掛けたんだか…)
監視一組だけなんて淋しいよね。
是非双子ちゃんの行方も見守ってください。
コメントありがとうございました。

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