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BLの丘
2012年 冬の遠足 3
2012-12-14-Fri  CATEGORY: 『想』―sou―
日野が厨房に入るということで、真新しい真っ白のコックコートを用意してくれた。
普段バーテンダーとして居り、料理人らしい格好をすることはないので、コスプレ的な今回の出来事は日野を喜ばせてくれた。
日野「おー、すげぇ。なんか、気が引き締まる~。うちも一着くらい用意するかなぁ」
雅臣「あ、それ、お土産で持ち帰っていいそうですよ」
付いてきた雅臣は、広々とした厨房の中に、また大量に置かれた食材や調味料の大きさに興味津々とキョロキョロしていた。
一度着た物は、自分のものとして処分しろとは、ありがたい配慮でもあった。
雅臣「龍太も良く料理するけど…、こういうところに来たら喜ぶのかなぁ」
日野「うーん、どうだろう。俺は業務用に慣れちゃっているから、家庭用が使いにくいけど」
雅臣「それもそっかぁ。一人分、二人分作るだけに、こんな広い所は必要ないものね」
物を取る、一つの動きでも移動範囲は大きい。
昼食や夕食の下ごしらえをしている料理人たちの邪魔にならないように、日野は欲しい材料をもらった。
本日は『榛名様御一行様』の貸切なので、準備するものも少ないらしく、まだ若手と呼べる数人の料理人たちは、日野の動きに視線を向けてきた。
雅臣「何作るの?」
日野「ブッシュ・ド・ノエル。もうすぐクリスマスだし」
雅臣「ケーキ?」
日野「そう。見たことあるんじゃないですか?木の形をしたやつ」
雅臣「…あるかも。でも甘いの、あまり好きじゃないからな…」
日野「そうなんだ。じゃあ、ちょっと品数増やしてみるかな」
同時進行で幾つもの品を作ろうという考えにも感心したが、動きの早さも目を見張るものがあった。
決められたことをやっている従業員とは違って、創作に関しては日野の方が上をいっている。
その場その時で、いきなり方向転換をしてしまったりと、発想力は逞しかった。

スケートリンクではいまだ、元気に動き回る子供たちがいた。
日生もすっかり馴染んで、鬼ごっこに参加していた。
絶対に転ばない『戦闘機(三輪車)』があるために、保護者も安心して見守っていられる。
慣れてくれば単独で走りまわったりもするのだが、英人と一葉は断固として、『一人動き』は許されなかった。
久志「龍太さんって回転ジャンプとかできるの?」
龍太「やったことないけど、スキーとかと同じ感覚なのかな(←スキー場ではすでに披露済み)」
久志「ないのかぁ。コツでも教えてもらおうと思ったのに…」
龍太「飛ぶっていうのがねぇ。着地失敗してねんざとか骨折したら洒落になんないからなぁ」
久志「でもさぁ、こう、ピョンピョンって…(←すでに跳ねている)」
龍太「あぁ、まぁ、これくらいはね…(←やっぱり跳ねている)」
そして気付けばすっかり練習風景へと変貌を遂げていた。
なんだーかんだー言いながら、刺激し合って、お互いを高めてくれる。

英人「お腹すいた~」
一葉「動き過ぎちゃったくらいかも」
那智「ヒサたち、なんか、新しい遊び、始めたのかなぁ(ジャンプしているのを見る)」
成俊「休憩しようか。日生くん、疲れた?」
日生「うん、ちょっと…(←あまり外に出ない子)」
ゾロゾロとリンクから出ていく。
スケートシューズを脱ぐと、陸地に着いた妙な感覚があった。
安定感とも言える。
装着品も全て外して身軽になって、ベンチに座って雑談をしているうちに用意された、ホットサンドと温かい飲み物でお腹を満たした。
まだまだ(午前中の)おやつの時間である。

子供たちが休憩している時、邪魔ものがいなくなったリンク上では、好き勝手に動けるようになったと、広々とした場所を自由自在に滑走する二人の姿があった。
勢いよく滑ってみては跳ねあがってみたり、と、そこでまた転ばないところが運動神経の良さか…。
安住「何かのショーを見ているみたいだね」
佐貫「そういった大会もあるしなぁ」
千城「私も何度か招待されましたよ」
和紀「技術はすごいですよ。努力の結果と思えば全員にトロフィーやメダルをあげたいところです」
みんな「「えぇ、ほんとに」」
英人「俺たちもメダル~」
那智「いっぱい滑ったもんね」
一葉「俺たち、優勝候補?(←明らかに違う…)」
成俊「みんなで同じ色のメダルがいいよ(←なんでも一緒がいい子)」
日生「メダルより、プリンがいい…(ボソ)」

頑張って慣れないことをやったご褒美として、保護者は分け隔てなく、全員にプリンを配ってくれた。

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あと一話で終わるか…?!

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コメント

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み~んな一緒の金メダル♪
コメントけいったん | URL | 2012-12-14-Fri 23:45 [編集]
恨みっこ無しで お子ちゃまも保護者も これで納得でしょ♪
もちろん 金メダルは自分で作って貰いましょうね。

あーでも 一葉が…
まぁ それはそれで 味があって良いよね!

日生は お世話係のさえさんと保護者の和紀が手助けするだろうから バッチリでしょうし♪

失敗してもいいように 金色の色紙を いっぱい用意しなきゃね!
「何なら 純金を準備させるが。トゥルトゥルトゥル♪もしもし 美琴か…」by千城
「千城~~!それは ダメだから~~!ヾ(´д`;)ノぁゎゎ」by私
「何故だ?そう難しくはないのに?何なら 飾りつけに宝石も!」by千城
「…ッ…」by私
「ちっ!余計な事を!余った金や宝石で アレもコレも出来るのに!」by地主

セレブな思考には 付いていけない掃除腐でした。
(Y@▼@Y)お手上げだーい...byebye☆
Re: み~んな一緒の金メダル♪
コメントたつみきえ | URL | 2012-12-15-Sat 06:06 [編集]
けいったん様
おはようございます。

> 恨みっこ無しで お子ちゃまも保護者も これで納得でしょ♪
> もちろん 金メダルは自分で作って貰いましょうね。
>
> あーでも 一葉が…
> まぁ それはそれで 味があって良いよね!
>
> 日生は お世話係のさえさんと保護者の和紀が手助けするだろうから バッチリでしょうし♪

メダルは自分で作る(笑)
いいですね。こちらでも楽しい思い出になります。
素敵なメダルが完成することを祈って…。

> 失敗してもいいように 金色の色紙を いっぱい用意しなきゃね!
> 「何なら 純金を準備させるが。トゥルトゥルトゥル♪もしもし 美琴か…」by千城
> 「千城~~!それは ダメだから~~!ヾ(´д`;)ノぁゎゎ」by私
> 「何故だ?そう難しくはないのに?何なら 飾りつけに宝石も!」by千城
> 「…ッ…」by私
> 「ちっ!余計な事を!余った金や宝石で アレもコレも出来るのに!」by地主
>
> セレブな思考には 付いていけない掃除腐でした。
> (Y@▼@Y)お手上げだーい...byebye☆

みこっちゃん、せっかくのお休みなのに、また用事を押し付けられるのか(爆)
純金メダル、しかも宝石付き☆
豪華です~。
千城らしい発案ですね。
えぇ、地主はすぐにお金の計算を始めますよφ(..)パチパチ
コメントありがとうございました。
No title
コメントたつみきえ | URL | 2012-12-15-Sat 06:12 [編集]
拍手コメち様
おはようございます。

> お久しぶりです(^^)『想』シリーズ読んでて、千城の取引先が五泉の会社で、燕入園決定、ってことを考えてしまいました。どうでしょう?別宅も読ませてもらってます。愛知県民なので、来てくれてありがとう、って気持ちです。私もお伊勢さん行きたいな~

燕入園ですか~。(なんか、誰かにも言われたような気が…)
あまりにも増えすぎてきて、今後は一時保育にしようかと思っていたところです。
日生もそのはずだったんですけれどね…。
千城のおうちは手広く事業を展開していますからね。
繋がりはどこかにあるでしょう。

別宅まで足を延ばしていただけ手嬉しいです。
もしかしたらすれ違っていたかもしれませんね。
また遊びに行きたいです。
コメントありがとうございました。
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