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BLの丘
偶然 1
2013-02-10-Sun  CATEGORY: 『想』―sou―
地雷・・・じゃないと思う たぶん・・・

珍しい出会いだった。
ある飲食店 そこは テーブル席しかないイタリアンなレストラン。
カップルで入室するのがふさわしいと思いながら 一人客も受け入れてくれることを充分なほど知っていた。

見た先にいたのは一人でパスタとサラダを味わう衣装の派手目の男だった。
一人で座っているのはわかるし、連れがいるのかはわからない。
だけど声がかけられてしまう。

「神戸さん?」
「あーれー、高柳君じゃん。何、ひとりなの?」
「ええ・・・那智出張で 夕飯なくて。。。」
まったく気後れすることなく答えてくれる雰囲気はいつもと変わらない。
久志はくるっと周囲を見回してしまった。
それにわかったように 神戸も微笑んでくる。
「誰もいないよ。座る?」
久志も一人だとわかるのだろう。また自分も一人なのだと伝えてくる。
そのあたりの進め方はスマートで、久志も心地よくなる。
何故にここにいるのか・・・という疑問は二の次だった。

「無駄話している暇、ないよね。注文してとりあえず半分食べて」
手持無沙汰にさせないところにまた感心させられた。
時間差でやってくる料理を待つ時間すら楽しまれる。

「今日、日野、どうしたの?」
取り皿に分けたパスタをほおばりながら、続く疑問に神戸は薄笑みを浮かべた。
「友達と会うんだって」
見送って、一人にされても余裕かましていられる神戸に、ある種の関心が浮かんだ。
「そーゆーとこ、神戸さん、余裕だよね。大人っていうか・・・」
「そうでもないけれどさ。ショウのこと信じて心配ないっていうか・・・・ま、今日会っているの、男の子だしね」
フッと笑っては、日野の趣味趣向を理解している・・・ともいえるのか。
あとは日野の防御率だろう。
そう簡単に襲われるようなタマではない。
自分ならそうはいかないだろうと久志は思う。
那智がどこかに行こうものならあとをつける。
まぁ 那智が出会う人間のほとんどを知るからこそ、『友人』として付いていくだけだが。
そこは年の差がある神戸と日野との違いなのだろうか。

神戸がフォークを持つ指を止めた。
「えーと、まぁ、オフレコってことで。高柳君、どんだけ遊び倒したの?」
どうも神戸の興味は、那智を手に入れるまでの過去にあるらしい。
それをいったら神戸も同様だろう。
いうなれば、女専門だった日野を落とした成り行きすら知りたいほどだ。

さわやかなレストランに、まったくそぐわない話が繰り広げられようとしていた。
動じていないふたりに誰がその口を閉じさせることができたというのか・・・

ニッと久志の口角が上がる。
分かったように神戸の頬も緩んだ。
「知りたいなら教えるけれど 神戸さん相手じゃ自信ないな」
「じゃあ、僕意外だと思えば?」
過去の栄光とはどのあたりにただようのだろうか。


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コメント

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ちっ
コメントちー | URL | 2013-02-10-Sun 17:58 [編集]
遊び人たちめ。
まあ、二人とも上手くやるんでしょーねー。
そのうち、痛い目にあうぞ?

「じゃ、神戸さん。行きますか」
「お互い時間は限られてるしね」

イソイソと店を出て、どこぞへ向かう途中。

「あれ?日野?」

日野の腕に捕まって歩いてるのは可愛い女の子。

「男の子と会うって言ってたのに・・・」

プイッと横を向いたその先には、ガタイの良い男に抱えられて歩く那智の姿が。

「なっちゃん」
「那智?」

二人で悪さを企んでいたはずが各々恋人の元に走り出す。そして、思いっきりばつの悪い思いをする二人であった。



日野っち→知り合いの女の子が絡まれてたので、彼氏のふりをして駅まで行く途中。

なっちゃん→最近の激務と久志の何とかに体力を使いきり、フラフラなところを同期の仲良し(ノンケ)が連れてきてくれただけ。



久しぶりの更新に、こんな想像しちゃうちーでした。
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