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BLの丘
日生の迷子
2013-03-12-Tue  CATEGORY: 新しい家族
ネズミの国の遊園地で、日生はいつのまにか一人ぼっちになっていた。
となりにいたはずの和紀も姿が見えない。

「おに・・・ちゃん・・・?」
きょろきょろと見渡して、でも知っている姿は何一つ見当たらなかった。
はしゃいでしまったことは分かるが、ついてきてくれる人がいたはずなのにいまは見えない。
こうなっては見放された思いしかない。

日生が大人しく和紀の言うことに従わなかった罰で、見捨てられたのたろうか・・・
グスッと涙がこぼれる。
近くを通りかかった係り(腐女子)員が見つけて、「ボク 名前は?」と聞いてくれた。
掃除のほうきとちりとりを持った人は、清音に似ていて日生は気を許した。

「ひなせ・・・」
「ひなせくん?今日はパパとママと来たの?」
しゃがみこんだ掃除腐は視線を合わせて日生の様子を聞いてくれる。
「おにいちゃんも・・・」
「そうなんだ。今、放送かけてあげるからお姉さん(←図々しい)と一緒に行こうね」
手を差しのべられて日生は迷子センターに向かった。

そこでは、子供をなだめるためのグッズやおやつが用意されていた。
日生は淋しさにかられながらも、同じように迷子になった子供と、僅かな時間を過ごした。
どこの子供も親がすぐに迎えに来ていた。
頭に乗せられたカチューシャと服装の様子で、和紀と周防が顔を見せたのはすぐのこと。

「ひなっ」
「日生、走って人波にまぎれてしまうから・・・」
「良かったですわ」
誰もが仲の睦まじい家族だと思っていた。
ぎゅっと抱きしめた和紀に、迷惑をかけたと思った日生だ。
こんな心配をかけてはいけないと、それはある意味、日生を内に閉じ込めるものになったのかもしれない。

和紀のために、また周防のために・・・
なにより そばにいたいと思ったのは日生のほうだった。
だから迷惑がかからないように。
和紀にまた出会えたことの嬉しさもあいまって、日生は「もう我が儘は言わない」と誓う。
「そうじゃない」と言う周防と和紀の言葉は、今の日生には伝わらなかった。

「ひな、絶対に離れないよ」
囁かれる和紀の言葉はどう響くのだろう。

今はただ、自分を探して、求めて、抱きしめてくれたことが嬉しい日生だった。

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コメント

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迷子
コメントちー | URL | 2013-03-12-Tue 19:24 [編集]
迷子の迷子のひなせちゃん。
あなたのお兄ちゃんは、どこですか?

て、すぐ来たね。お兄ちゃん。
掃除腐さんは誰だったんだろう?
あ、私じゃないなあ。
「お姉さん」
は、言わないもん(笑)
やっぱり、師匠?←ごめん、師匠。


私、今、薬局でお薬待ってるんだけど。
近くに仲良し男の子達を発見。
ちょっと、楽しいです。
コメントきえちん | URL | 2013-03-12-Tue 20:50 [編集]
歌になってるーっ

はい、すぐに来たおにいちゃんです
もうそこは迷いもなく
放送聞いてまっしぐら

「お姉さん」・・・・
日生 幼心に気を使ってそうよんだみたい

腐女子連隊いっぱいいるからねー
どんだけ日生を見守っているんだか。

今後も見守ってあげてくださいね~
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