「な…?!」
近付かれた体が壁際に追い込まれる。
何を言いたいのか意味が分からなかった。
ここは誰が来てもおかしくないような場所だった。店の中だ。閉鎖もされていない。
外から見られる可能性の高い、しかし、細い体の孝朗は圭吾に覆われたら外から見えないような体格だ。
背中をピッタリと一番奥の壁にくっつけて、孝朗は恐る恐る圭吾を見上げた。
こんな風にせまられたことはない…。
どうしてこんなことになったのか…。
「圭吾…」
「っざけんなっ!!!タカ、隙ありすぎっ!!!この前だって俺に平気で触られてたくせにっ!!!」
何故圭吾が怒るのか孝朗は理解できなかった。
…このまえ???…
何のことかと慌てふためく孝朗に、迫りくる体格の良い身体がある。
思考が全く追いつかない。
「いつでもこうか?タカは無防備過ぎだっ」
「何言って…っ」
「こんな風にこれまで過ごしてきたのかよっ?!」
周りには聞こえない低い声。近寄られた空間に息が詰まる。
過去の過ごしてきたあれこれが脳裏を駆け巡っていった。
社風にならったようにさわられた数々はある…。今に始まったことではない…。
しかし圭吾が危惧するような切羽詰まったものはないはずだ。そう思うことがすでにおかしいのだろうか。
たんなる悪戯であった日々。
絡まれたことは多々あり…だが、こんな風に身の危険を感じたことはない。
…身の危険…。
焦っていいはずなのにどこか落ち着いていた。
圭吾だから…。圭吾だから気が許せている。
疑われた事が悔しくもある。
「圭…吾、なに…?」
「すげーゆるせねー。それだけ…」
覆いかぶさるように圭吾の肌が触れた。
囲まれた体は抵抗の一つも見せなかった。叫べば必ず誰かがやってきてくれるような空間で、なすがままにされる。
塞がれる唇。
温かなものに撫でられる唇と口内が訳も分からずに震える。
初めてのくちづけ…。
そうだとも言えなかった。
嫌でもない…。
分からなかった…。
何故こんなことをされるのか…。
唇を触れ合わせるなんて、恋人同士がすることではないのだろうか?
自分と圭吾はそんな仲ではない。
いつ、離れてもおかしくない、異動ばかりを繰り返す人…。
それなのに許してしまう自分は…、店の何かに染められてしまったのか…。
縋りたくない…。そう思うのに頼ってしまいたくなる太い腕。
「け…」
「なんだよ…、どこまでこの体晒すんだ…?」
悔しそうな言葉が浸み渡ってくる。
言いたいことが分からない。圭吾は何を望んでいるのか…。自分に何を求めているのか…。
たぶん、きっと求めるのは同じことなのに、認めたくない、知りたくない、恐怖ばかりが浮かんでくる。
叶わない現実を知っているから…。
縋っても無駄だ。必ず離れる時が来る。
なのに甘やかしてくれる時を束の間でも覚えてしまった。
自分だけが溺れていく…。
「けい…ご…」
「二度と触らせんな。好きだ…」
抱きしめられた体に降り注いだ言葉。
なんのことかと瞳孔が開く。
見上げた先に、苦しそうな表情があった。眉間を寄せて唇を噛みしめて…。
社内恋愛は絶対的に禁止される。
辞めるか異動するか…。共にいることは不可能な環境だ。
隠すことも可能なのだろうがたぶん気付かれるだろう。
ましてや男同士…。
一度知られたら取り返しもつかない。
「う…そ…」
「タカ、ごめん…」
何を謝るのかも分からない。
この瞬間、離れなければいけない現状を知った。
圭吾の想いを受け止めることはできても、同じ職場で過ごすことなどできない。
やがて離れる未来があることを、二人は良く知っていた。
「けい…」
「ずっと言えなかった…。でももう無理…」
囁かれる言葉に時の重みを知る。
圭吾と初めて知り合ったのは3年も前の、違う店だった…。
にほんブログ村
ぽちっとしていただけると嬉しいです。
6← →8
近付かれた体が壁際に追い込まれる。
何を言いたいのか意味が分からなかった。
ここは誰が来てもおかしくないような場所だった。店の中だ。閉鎖もされていない。
外から見られる可能性の高い、しかし、細い体の孝朗は圭吾に覆われたら外から見えないような体格だ。
背中をピッタリと一番奥の壁にくっつけて、孝朗は恐る恐る圭吾を見上げた。
こんな風にせまられたことはない…。
どうしてこんなことになったのか…。
「圭吾…」
「っざけんなっ!!!タカ、隙ありすぎっ!!!この前だって俺に平気で触られてたくせにっ!!!」
何故圭吾が怒るのか孝朗は理解できなかった。
…このまえ???…
何のことかと慌てふためく孝朗に、迫りくる体格の良い身体がある。
思考が全く追いつかない。
「いつでもこうか?タカは無防備過ぎだっ」
「何言って…っ」
「こんな風にこれまで過ごしてきたのかよっ?!」
周りには聞こえない低い声。近寄られた空間に息が詰まる。
過去の過ごしてきたあれこれが脳裏を駆け巡っていった。
社風にならったようにさわられた数々はある…。今に始まったことではない…。
しかし圭吾が危惧するような切羽詰まったものはないはずだ。そう思うことがすでにおかしいのだろうか。
たんなる悪戯であった日々。
絡まれたことは多々あり…だが、こんな風に身の危険を感じたことはない。
…身の危険…。
焦っていいはずなのにどこか落ち着いていた。
圭吾だから…。圭吾だから気が許せている。
疑われた事が悔しくもある。
「圭…吾、なに…?」
「すげーゆるせねー。それだけ…」
覆いかぶさるように圭吾の肌が触れた。
囲まれた体は抵抗の一つも見せなかった。叫べば必ず誰かがやってきてくれるような空間で、なすがままにされる。
塞がれる唇。
温かなものに撫でられる唇と口内が訳も分からずに震える。
初めてのくちづけ…。
そうだとも言えなかった。
嫌でもない…。
分からなかった…。
何故こんなことをされるのか…。
唇を触れ合わせるなんて、恋人同士がすることではないのだろうか?
自分と圭吾はそんな仲ではない。
いつ、離れてもおかしくない、異動ばかりを繰り返す人…。
それなのに許してしまう自分は…、店の何かに染められてしまったのか…。
縋りたくない…。そう思うのに頼ってしまいたくなる太い腕。
「け…」
「なんだよ…、どこまでこの体晒すんだ…?」
悔しそうな言葉が浸み渡ってくる。
言いたいことが分からない。圭吾は何を望んでいるのか…。自分に何を求めているのか…。
たぶん、きっと求めるのは同じことなのに、認めたくない、知りたくない、恐怖ばかりが浮かんでくる。
叶わない現実を知っているから…。
縋っても無駄だ。必ず離れる時が来る。
なのに甘やかしてくれる時を束の間でも覚えてしまった。
自分だけが溺れていく…。
「けい…ご…」
「二度と触らせんな。好きだ…」
抱きしめられた体に降り注いだ言葉。
なんのことかと瞳孔が開く。
見上げた先に、苦しそうな表情があった。眉間を寄せて唇を噛みしめて…。
社内恋愛は絶対的に禁止される。
辞めるか異動するか…。共にいることは不可能な環境だ。
隠すことも可能なのだろうがたぶん気付かれるだろう。
ましてや男同士…。
一度知られたら取り返しもつかない。
「う…そ…」
「タカ、ごめん…」
何を謝るのかも分からない。
この瞬間、離れなければいけない現状を知った。
圭吾の想いを受け止めることはできても、同じ職場で過ごすことなどできない。
やがて離れる未来があることを、二人は良く知っていた。
「けい…」
「ずっと言えなかった…。でももう無理…」
囁かれる言葉に時の重みを知る。
圭吾と初めて知り合ったのは3年も前の、違う店だった…。
にほんブログ村
ぽちっとしていただけると嬉しいです。
6← →8
圭吾が 告った! 告った~!ォー(@Σ@;)
今か!今 言っちゃうのか~!(゚д゚ll)ズガーン・・
「もう無理・・・」...無理なの?無理なら しょうがないよねー((´д`:)ぅん、そっかぁ
セクハラされて 抗わない孝朗に 我慢できなくなったのね。
圭吾の告白に 孝朗は?
答えは 明日に続くのね~! そうでしょ きえ様?
「ッ!(゚д゚;≡;゚Д゚)ナニガ?」byきえ様
逃げるな・・(*  ̄  ̄)c―――∞C< /TωT)/アイヤァ...byebye☆
今か!今 言っちゃうのか~!(゚д゚ll)ズガーン・・
「もう無理・・・」...無理なの?無理なら しょうがないよねー((´д`:)ぅん、そっかぁ
セクハラされて 抗わない孝朗に 我慢できなくなったのね。
圭吾の告白に 孝朗は?
答えは 明日に続くのね~! そうでしょ きえ様?
「ッ!(゚д゚;≡;゚Д゚)ナニガ?」byきえ様
逃げるな・・(*  ̄  ̄)c―――∞C< /TωT)/アイヤァ...byebye☆
けいったん様~っっっっ
日曜日に何でこんな拙宅にいらっしゃってるんですか~っっ。
> 圭吾が 告った! 告った~!ォー(@Σ@;)
> 今か!今 言っちゃうのか~!(゚д゚ll)ズガーン・・
告りましたっヽ(゚∀゚)ノ
告っちゃったっっっ。
言っちゃった~っ。
> 「もう無理・・・」...無理なの?無理なら しょうがないよねー((´д`:)ぅん、そっかぁ
>
> セクハラされて 抗わない孝朗に 我慢できなくなったのね。
> 圭吾の告白に 孝朗は?
セクハラに耐えられなかったのは圭吾。
すぐ触られちゃうんだヽ(゚∀゚)ノ。
> 答えは 明日に続くのね~! そうでしょ きえ様?
> 「ッ!(゚д゚;≡;゚Д゚)ナニガ?」byきえ様
> 逃げるな・・(*  ̄  ̄)c―――∞C< /TωT)/アイヤァ...byebye☆
明日????Σ( ̄□ ̄;)
が、がんばる…
(\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?) 逃げないつもり…
コメントありがとうございましたー
日曜日に何でこんな拙宅にいらっしゃってるんですか~っっ。
> 圭吾が 告った! 告った~!ォー(@Σ@;)
> 今か!今 言っちゃうのか~!(゚д゚ll)ズガーン・・
告りましたっヽ(゚∀゚)ノ
告っちゃったっっっ。
言っちゃった~っ。
> 「もう無理・・・」...無理なの?無理なら しょうがないよねー((´д`:)ぅん、そっかぁ
>
> セクハラされて 抗わない孝朗に 我慢できなくなったのね。
> 圭吾の告白に 孝朗は?
セクハラに耐えられなかったのは圭吾。
すぐ触られちゃうんだヽ(゚∀゚)ノ。
> 答えは 明日に続くのね~! そうでしょ きえ様?
> 「ッ!(゚д゚;≡;゚Д゚)ナニガ?」byきえ様
> 逃げるな・・(*  ̄  ̄)c―――∞C< /TωT)/アイヤァ...byebye☆
明日????Σ( ̄□ ̄;)
が、がんばる…
(\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?) 逃げないつもり…
コメントありがとうございましたー
(*ノωノ)キャー 圭吾が告ったぁ~Σヽ(゚Д゚○)ノ
(。・"・))コクコク 圭吾が言うように孝朗は無防備すぎですね(笑)
(だから玩具?にされちゃうのでしょうけど。。。)
そういうところが我慢ならなかったんでしょうね。
孝朗はどうするのぉ~?アタヽ(´Д`ヽ ミ ノ´Д`)ノフタ
(。・"・))コクコク 圭吾が言うように孝朗は無防備すぎですね(笑)
(だから玩具?にされちゃうのでしょうけど。。。)
そういうところが我慢ならなかったんでしょうね。
孝朗はどうするのぉ~?アタヽ(´Д`ヽ ミ ノ´Д`)ノフタ
らぅら様
こんにちはー。
> (*ノωノ)キャー 圭吾が告ったぁ~Σヽ(゚Д゚○)ノ
告った~。動きに無駄がない人~。(なのか…????)
> (。・"・))コクコク 圭吾が言うように孝朗は無防備すぎですね(笑)
> (だから玩具?にされちゃうのでしょうけど。。。)
> そういうところが我慢ならなかったんでしょうね。
>
> 孝朗はどうするのぉ~?アタヽ(´Д`ヽ ミ ノ´Д`)ノフタ
玩具(爆)
見せられたことに苛立ちはマックス~。
うん、我慢できなかったんでしょう。
積もり積もったものが爆発…みたいですね。
タカ、どうするんだかな~。
コメントありがとうございました。
こんにちはー。
> (*ノωノ)キャー 圭吾が告ったぁ~Σヽ(゚Д゚○)ノ
告った~。動きに無駄がない人~。(なのか…????)
> (。・"・))コクコク 圭吾が言うように孝朗は無防備すぎですね(笑)
> (だから玩具?にされちゃうのでしょうけど。。。)
> そういうところが我慢ならなかったんでしょうね。
>
> 孝朗はどうするのぉ~?アタヽ(´Д`ヽ ミ ノ´Д`)ノフタ
玩具(爆)
見せられたことに苛立ちはマックス~。
うん、我慢できなかったんでしょう。
積もり積もったものが爆発…みたいですね。
タカ、どうするんだかな~。
コメントありがとうございました。
| ホーム |