あっ、もう、なんの間違いだろうかと大月は頭を抱えた。
自宅に勝沼を呼んだのはいい。
そこに何故明野がやってくるのかは疑問だ。
キッチンに立つのは明野と勝沼だった。
「大月はこれが好きでねぇ」
「そうなんですか」
パスタに明太子ソースを絡めているだけである。
大葉も添えられていた。
先日まであった緊張感はどこに消えたのだろうか。
決して『手料理』とは言えなくても大月の好き嫌いを聞けるのは嬉しいことだったのか。
勝沼の頬は緩んでいた。
その他に明野の自宅から持ち込んだとりのからあげにピリ辛なソースがかけられている。
夕食というより、つまみの世界だろう。
簡単に夕食の準備を整えたあと、いつの間にか"兄"たちは消えていた。
何もできない・・・とまでは言わない。
だけど明野たちにしてみたら、"何もできない"弟のままだ。
またここにも、もてなしの心は見えていた。
わざわざ来てくれた"友人"に不便はかけたくないとは、兄としての気持ちなのかもしれない。
不貞腐れた気分もあったのだろう。
今日も飲み過ぎた大月だった。
リビングのラグの上で転がった大月に、勝沼がかぶさってくる。
「寝ちゃってるの?」
「眠りたい・・・」
「襲ってもいい?」
「歓迎」
「・・・いうか、それ・・・」
誰にでも同じ態度を取っているわけではないけれど。
ここ最近、ご無沙汰だったことだけは誤魔化せない。
今後の付き合いを考えても、一度は交わってみたかった大月と、勝沼では意識が違っているのだろうか。
ここには韮崎の衣類が勝手に持ち込まれていた。
もう、泊まり込むことが分かっていて、勝沼にあたえたものでもある。
突然訪れても、どうにでも対応する、ということか・・・。
中途半端に流れたくないとは勝沼からも聞いていたし、韮崎からも危険性は教えられていた。
だけど一度"始めなければ"先に進まない話もあるだろう。
「信じている」
裏切らない存在だと分かる。
韮崎は明野のために自分を売った。
明野は大月のために韮崎を利用した。
大月が告げた声に勝沼の口角が上がった。
真実だと、分かるからこそ。
「あぁ、信じてるよ。大月は本当は淋しがりやで、誰かに寄りそいたい人だって。でももう、俺だけにしとけ」
重ねたものは身体の何かを確かめるためだったか。
優しく愛してくれる体は、また誰とも違うと大月は感じる。
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そこに何故明野がやってくるのかは疑問だ。
キッチンに立つのは明野と勝沼だった。
「大月はこれが好きでねぇ」
「そうなんですか」
パスタに明太子ソースを絡めているだけである。
大葉も添えられていた。
先日まであった緊張感はどこに消えたのだろうか。
決して『手料理』とは言えなくても大月の好き嫌いを聞けるのは嬉しいことだったのか。
勝沼の頬は緩んでいた。
その他に明野の自宅から持ち込んだとりのからあげにピリ辛なソースがかけられている。
夕食というより、つまみの世界だろう。
簡単に夕食の準備を整えたあと、いつの間にか"兄"たちは消えていた。
何もできない・・・とまでは言わない。
だけど明野たちにしてみたら、"何もできない"弟のままだ。
またここにも、もてなしの心は見えていた。
わざわざ来てくれた"友人"に不便はかけたくないとは、兄としての気持ちなのかもしれない。
不貞腐れた気分もあったのだろう。
今日も飲み過ぎた大月だった。
リビングのラグの上で転がった大月に、勝沼がかぶさってくる。
「寝ちゃってるの?」
「眠りたい・・・」
「襲ってもいい?」
「歓迎」
「・・・いうか、それ・・・」
誰にでも同じ態度を取っているわけではないけれど。
ここ最近、ご無沙汰だったことだけは誤魔化せない。
今後の付き合いを考えても、一度は交わってみたかった大月と、勝沼では意識が違っているのだろうか。
ここには韮崎の衣類が勝手に持ち込まれていた。
もう、泊まり込むことが分かっていて、勝沼にあたえたものでもある。
突然訪れても、どうにでも対応する、ということか・・・。
中途半端に流れたくないとは勝沼からも聞いていたし、韮崎からも危険性は教えられていた。
だけど一度"始めなければ"先に進まない話もあるだろう。
「信じている」
裏切らない存在だと分かる。
韮崎は明野のために自分を売った。
明野は大月のために韮崎を利用した。
大月が告げた声に勝沼の口角が上がった。
真実だと、分かるからこそ。
「あぁ、信じてるよ。大月は本当は淋しがりやで、誰かに寄りそいたい人だって。でももう、俺だけにしとけ」
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