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BLの丘
珍客の土産 6
2013-07-20-Sat  CATEGORY: 珍客
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


一度達してしまうとどこを触られても敏感になってしまう。
佳史の顔は望の下肢から離れず、茂みの奥から柔らかな嚢を愉しんで後孔に向かった。
力が入らない身体をいいように舐られる。
もう吐き出す声も何を訴えるのか分からない。
普段の家の中ではここまで佳史に対してやめてくれと願わないし、乱れることもない。
それは、全てが見えるからこそ生まれる抵抗で、また佳史が"張り切って"いる証拠なのだろうか。

「隠すなよ…」
佳史は何度もその言葉を繰り返した。
ベッドの上に広げられた身体は、まな板の鯉…か、麻酔をかけられた手術台の上の患者だ。
後孔は唾液で濡れ、やはりどこに隠していたのかボディローションが取り出される。
望が到着するまでの間、どれだけ部屋の中を物色して、自分の扱いやすいように変えていたのか、感心の裏に呆れが混じった。
…いや、産婦人科のように器具を引っ張り出されないだけ、マシなのかもしれないが…。

それでも一般人とは味方も異なる視力があるのか。
明かりの下だからこそ、どんな奥まで診られるのかと、閉じたい膝すら佳史の身体に阻まれている。
唯一、望が気を回せたのは、佳史にも焦りがあったと感じとれたことだった。
望の痴態は想像以上に佳史を煽っていたようだ。

いつもは優しい佳史の行動が、どこか性急になっているのが触れ合うかしこから伝わってくる。
確かに丁寧な愛撫があるのだけれど…。
こんなことは珍しいと思うのに、それ以上に施される佳史からの愛撫は望の考えを曖昧にしてしまう。
土壇場になっても冷静さを失わない態度は返って恨めしい。
指の一本が、秘められた蕾を咲かせようと潜った。
「あ…っ」
「辛い?そんなことないと思うけど」
どこまでも自信に溢れた言葉は、望の体を知りつくしているから吐けるのだろう。
すでに望は次の刺激を求めてしまっている。その先にある快感も愉悦も体のほうが憶えているのだ。
拓かれることの悦び…。
煌々とした明りの下で暴かれた羞恥は、続く快楽を求めて霧散していく。
宥めるように太腿を撫でられ、また溢れてきた先端の雫を舌先で掬い取られ…。
無防備になる心までも覗かれてしまっているようだった。
「俺だったら、何をされても大丈夫だろ?」
恥ずかしがって隠す必要もない。自分自身の価値を卑下することもない。光の中で堂々としていればいい…。
ありのままの姿で佳史の胸に飛び込んでいけばいいと今更ながら伝えられた。

強い眼差しが見える。はっきりと見える表情は、望だけを捉えていた。
怖かったのは徐々に年齢を重ねていく現実だったのか…。

佳史の指が解け具合を確かめる。
足首を掴まれて持ち上げられ、足先に唇を寄せられた。
「望…。愛してるよ…」
柔らかくなった秘部に佳史の剛直が宛がわれ、体を折り込まれる。
グイッと押し込まれる衝撃に一瞬息を詰めれば、くちづけが降ってきて口腔内に舌が飛び込んできた。
佳史が望を知りつくしているように、望も佳史を分かっている。
「んっ、…あぁぁっ…っ」
背中に回した腕に力が込められて、ぎゅっとしがみつくのを満足げに見下ろしている顔が視界に映った。
こんな表情で望を抱いていたのかと、こちらも知れた瞬間だった。
佳史は性急な動きで望を翻弄する。
冷静だと思っていた佳史も余裕を無くした姿に変化していた。
「あっ、あっ、…あぁぁっっ…っ」
取り繕える術など望にはなくなっている。
「ヤバ、い…。こんなに早くないんだけどな…」
佳史が苦笑を浮かべたのちには、腰の動きを速められた。
感覚だけではない。見えるもの全てが刺激に加えられる。
「よし…っ」
「望…っ」
シーツに擦られる音も、下肢から響く水音も、荒い呼吸の中から吐き出される名前も、映り込む肉体も、何もかもが脳裏に焼きついた。
持っていても無駄な理性が粉々に弾け飛んで、本能のまま快楽の海に溺れていく。
気持ち良さに我慢をすることなく、佳史をきゅうっと締め付けて放出した。
佳史の表情が苦しげに歪んで、やはり達したようだ。
胎内に注がれる熱は、佳史の愛情の証であると刻みつけられる。
佳史を前にして、隠せるものなど何一つないのだと教えられた…。


気付けば自然の明かりが飛び込んでいた。
いつの間にか室内の電気は消されていたようだ。
カーテンを閉めてくれてもよさそうなのに、誰からも見られない高層階に危機感も薄れていたのだろう。

朝焼け

青白くなる空が見える。
新たな旅立ちの朝…という気にさせてくれるのは、過ごした一夜が違っていたからだろうか。

昨夜、何度絶頂を極めたのかの記憶もない。
いつも望を想い、大事に扱われてきた過去を覆すように、佳史の征服欲を見せつけられた。
感じすぎた身体は麻痺し、ひたすら佳史からの刺激を求めた。
濃密な夜は、容赦なく、望を剥きだしにしてくれた。

一皮剥けた…。剥けたのだろうか…。
苦笑いが頬を覆った。
これまでどことなく、ドタキャンも受け入れてあたりまえ、相手のことを想うからこそ…と我慢していたことが違うのだと身体を使って教えられた。
我慢していたつもりはなくても、与えられた時間を際限なく満喫しようとしたのだから、結果としては巣食っていたものになるのだろう。
どうしたって、求める身体も心も、治める、押さえこんでおける術など持ちはしないのだ。

定刻に出社しなければならないし、佳史も開院しないわけにはいかない。
それでも、もう少し眠ることができるだろうか…。
望は裸体もそのままに、佳史に寄って瞼を下ろした。
電気の下も、太陽光の下も、あまり変わらない錯覚に陥っていた。
ここがふたりだけの空間で、見ている人は佳史しかいないと分かるから…。

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コメント

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三度目の正直
コメントちー | URL | 2013-07-20-Sat 11:18 [編集]
はあい、三回目(笑)

佳史さん、心のどこかに巣食うものがあったのかな?
明るいところで、望さんをちゃんと見て確認して抱きたかったのかなあ。
ずっとずっとずっとずーっと好きだったんだよね。
身体はくれたけど、気持ちはなかなかくれなかったから。望さん。
だから、失いたくないっていう気持ちは望さんより強いかもしれないなあ。
いつも優しくて余裕綽々な佳史さん。
だけど、心の奥底には少しだけ不安もあるのかもね。


ちー『うぇーん!』
師匠『何を泣いてるのさ?』
さえ『すーさんに良いカメラ買われたから?』
にっ『徹夜したからですよね?』
すー『大丈夫、ナイスショットばかりですから』
ちー『違う~、佳史さんが、佳史さんがぁぁあ』
師匠『美味しい朝御飯、食べに行こう』

こうして、腐レンジャーの一日は終わるのであった。
でも、すぐに任務は開始されるんだけどね。

地主『今日も暑いわぁ。涼しいとこで泡銭を数えなくち
ゃ!ホホホ』
みなさん こんにちは
コメントたつみきえ | URL | 2013-07-20-Sat 14:57 [編集]
みんな徹夜で蚊と戦ったの~?
お疲れさまでした~。
そうだ!! 蚊○線香じゃなくてバル△ンのほうが良かったかしら。

カメラマンが増えたので、お買い得な写真もたくさん出てくることでしょう。
泡銭を数えますよ~♪(←ちがうっ、ちゃんと働いてるもんっ。そう、私が一番働き蜂 φ(..)カキカキ)
みんなご飯食べに行くの~
美味しい朝ご飯には美味しいmilkを… バコ~ン!( - -)/☆(*_*)
い、いらないようなので…退散…。

拍手コメk様
> 佳史さん、私の好きなキャラの一人です。ずっとずっと望を思い続けてきた人。本当に優しい人。幸せを願ってやみません。

佳史に投票一票、ありがとうございます!
うちのキャラのなかではトップクラスに入る『一途な人』じゃないでしょうか。
(←また忘れていた作者… 汗)
愛の再確認、できたことでしょう。

みなさん コメントありがとうございました。
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