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BLの丘
新装開店 5
2010-04-02-Fri  CATEGORY: かけがえのない日々
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


イく寸前で、「中に出してもいい?」と今更ながらのことを聞かれ、もう何でもいいっ!と首だけがたてに揺れる。
「…ショウ、…ショウっっ!!」
肉筒が締めつけるのと同時に、ぎゅっと巻き付けた両手両足にも力が籠って日野を離そうとしなかった。
こぼれた体液は自分の肌と日野の服を汚していく。
更に数度打ち付けられた灼熱から体内の奥へと日野の種が撒かれた。
身体の全てから力を抜きたい…と思うのに、状況が悪いせいか、日野の支えがまだあるせいか、中途半端な体勢から脱力しきれず、繋がったままでしばらくの時を過ごした。
荒かった呼吸が何とか整ってくる頃、引き抜かれるのと同時にまた調理台の上へと戻される。
すでに冷えた場所に移動させられたせいか、下半身が嫌なほど蠢いた。
「っ…っぅ…っ」
日野の吐き出した体液が空気中に零れていく感触に思わず息が漏れれば、「ねぇ見せて」と離れたはずの片足が高く抱えあげられる。
手首だけがまだ唯一日野の首に絡まっているような状態…。
無理矢理半分に折られるような体勢に耐えられず、後ろに倒れ込もうとするのをまたもや日野の腕に支えられた。
抱え上げた足から手を離してはもらえたものの、奥深く座らされては落ちた足も調理台の上で、大理石の上に同色の体液が滴り落ちていた。

「ショウっ!!!!」
「ちょー、エロっ」
ベッドの上では幾度か体験済みとはいっても、やっぱりスポットライトの下は感覚も異なる。
日野もさすがにこれ以上は…と思ったのか、数歩の場所にあるおしぼり保温器の中からおしぼりを出してくると、それで神戸の汚れた箇所を拭ってくれた。
日野が着ていた服は洗うしかないのは分かっている…。

これ以上ここに留まる気もなく、ゆっくりと下ろしてもらい、奥の部屋へ向かおうとした時、コンコンコンコンッと立て続けに入口のドアを叩かれる音がして、直後、神戸がカギをかけ忘れたドアが外側から勢いよく開いた。
日野に近寄ることに気が急いて、看板の明りを消したことで安心し、鍵まで気が回っていなかった…と言い訳しても後の祭りだ。
何事かと突如視線を向けたものの、なにせ自分の状況は悪過ぎる。
かろうじてシャツを『羽織っている』状態だったし、いくら高いカウンター台に遮られているとはいえ、下半身は何も身に着けていない。
神戸は咄嗟にその場に座り込んでしまったが、入ってきた人間の顔ははっきりと見えた。

…千城だ…。

遅れを取った日野が「あ…」と、突然の来客と足元の神戸を見比べている。

千城は店内に足を踏み入れる気はなかったのか、足音も聞こえなかったし、ドアが閉まる音もない。
その代わり低い声が響いてきた。
「おまえたち、場所を考えろ。全部筒抜けだぞ。この店はこのドア一枚だけでエレベーターホールと階段に繋がっているって忘れているのか?何のために防音設備まで完備した部屋を作ってやったと思っているんだ?!」
神戸は自分が上げ続けた嬌声を思い出して血の気が引く思いだった。
ドアに張り付いて聞き耳を立てていたわけではないだろうが、店を出てすぐにあるエレベーターホールと隣り合った階段という空間には嫌でも音が響く。
実際、エレベータを待つ間を惜しむのか、体力維持か、階段を故意的に利用する客も少なくない。

なによりもこのビルには24時間体制で待機する警備会社が最上階(とはいっても5階だけど)にあった。
神戸がしゃがみこんでいると分かっているのであろうに、わざとらしく日野に、「どこでもサカる奴には口に布でも噛ませておけ。騒音だ」と嫌みたっぷりの台詞を言い捨ててスタスタと出ていった。
お互いの性格を良く知るからこそ、日野から仕掛けた出来事とは思っていないようだった。
あの洞察力にも想像力にも本当に閉口する。間違えていないから余計にムカつく。

こんな状況でありながら、神戸は明日英人が休みで良かった…と思っていたりする。
きっと何らかの理由でまだ二人してアトリエに残っていたのだろう。
弱みと嫌味の応酬はお互い様だからあまり気にはしていないが、実際に筒抜けだったと知れば少しくらいの後ろめたさは沸き起こる。
千城はともかく、英人にまで聞かれたのかと思うと尚更気が滅入りそうだ。
「たける~ぅ」
上から降り注いできた泣き声には、「あぁ、なんとかする…」としか答えられなかった。

…まぁいいや、とりあえず、今は、『防音設備が完備された部屋』に行こう…。

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すみませんっ!!朝upした分、『ちょうどいいサイズ』と入れ間違えていました!!
『新装開店』に変更して、この記事はこのまま残します(平謝りm(__)m)
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コメント

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誰かが来て動揺する二人が面白いかなと思ったらホントに来たよ!
コメント甲斐 | URL | 2010-04-02-Fri 10:02 [編集]
間違えだったんですか、2話まとめてのUP。
てっきり、この二人がやる気満々で切れなかったのだと思いました。
”途中でやめられない”って神戸さんが言うし、日野ちゃんも”もう限界だ”って言うし・・・、ねぇ。

それにしても、それって5階にまでまる聞こえだったのでしょうかね。
彼らにしたら相当堪えますね、業務中っていうのもあるし、お仕事柄みなさま固そうな方々のような気がしますし。

そして、明日が休みの英人くんたちは・・・ま、いいか。防音の効いたお部屋でお好きなように・・・。

そっち方面に鈍い英人くんはいまだに日野ちゃんと神戸さんのこと知らないんじゃないのですか?神戸さんはともかく日野ちゃんはしばらく会いたくなさそう。リバって聞いたたら驚くかな?
Re: 誰かが来て動揺する二人が面白いかなと思ったらホントに来たよ!
コメントきえ | URL | 2010-04-02-Fri 12:38 [編集]
甲斐様
こんにちは。

> 間違えだったんですか、2話まとめてのUP。

間違えていたんですよ。私もびっくりでした。
昨夜酔っ払っていたのが悪かった…。
タイトルは『ちょうどいい~』なのに、中身がえちでどん引きしましたね…。

二人のやる気満々もほどほどにしていただかないと…。
まぁ、今回いたずらが見つかっちゃったから控え目にしてくれのではないでしょうか。
って、動揺しているのは日野ばかりで、神戸は開き直ったか。

> それにしても、それって5階にまでまる聞こえだったのでしょうかね。
> 彼らにしたら相当堪えますね、業務中っていうのもあるし、お仕事柄みなさま固そうな方々のような気がしますし。

1階から5階まで聞こえてたってことは、ビル中ってことですよね。
館内放送並みですね。
お仕事ちゃんとできたのかなぁ。
辛い一夜だったことでしょう。

> そっち方面に鈍い英人くんはいまだに日野ちゃんと神戸さんのこと知らないんじゃないのですか?神戸さんはともかく日野ちゃんはしばらく会いたくなさそう。リバって聞いたたら驚くかな?

知らなかったかもしれないけど、知っちゃった?!
まさかあの日野が?!と思っているかもしれないし。
さらにリバって…。ショック死しそうです。
英人も顔を合わせづらいんだろうなぁ。
どんな顔をして会おうって考えているかも。

コメントありがとうございました。
コメントきえ | URL | 2010-04-03-Sat 09:37 [編集]
MO様
おはようございます。(もうこんにちはですね。)

>千城ったら、容赦なく責めますね~。普段からお互い様なんでしょうけど・・・ 英人にも知られちゃって、日野も神戸も気まずいですよね。

色々な人の弱みを握っていく千城ですかね~。
神戸にしてみれば弱みでもなんでもないんでしょうけど。
店に足を向けた千城を英人は必死で「やめなよ~」と制していたはずです。
たぶん近寄れなくて、1階でオロオロしていたのではないでしょうか。
「なんで人のそういうところに踏み込んでいけるの?」という疑問を抱えながら。

>でも、まだ場所を変えて、続けるのね~

さすが神戸サンですから。
『場所を考えろ』と言われたことだし。これ以上聞かせたくもないし(?!)
そして今後こそちゃーんと鍵は閉めますよ。
コメントありがとうございました。
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