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BLの丘
一番近いもの 40
2010-09-11-Sat  CATEGORY: 一番近いもの
すみません、まだ鳥羽視点らしい…(詰まっているんです…ごめんなさい…。こんなの書くんだったらやめとけって言われそう…)

むっとする暑い部屋をエアコンを起動させることで居心地を良くさせる。
けど、海斗の居心地がよくなっていないことはすぐに気付いた。
隣の部屋に行けば蓮がいる。
お盆の時期、帰省は数日だったし、学生身分ではそれなりの休みもあった。
だから出会えた今といっていい。

海斗が蓮に会いたがる理由が分からなく、だけど一番に頼る存在なのかと漠然と知り、同時に打ちのめされていた。
「海斗。何かあったんだろ?話はきいてやるぞ」
聞いてもらいたいのはこちらのほうだ…。
今気付いたこの感情。
けどそれを押し隠して、海斗が溜め込むことを耳にして、親身になって支えてやりたかった。
傷口にすりこむようで、卑怯とは思ったけど…。
海斗は何も語らなかった。
それを語るのは『蓮』だけと言われているようだった…。

「なんにもないよっ。ごめん、ちょっと疲れてて…。寝てもいい…?」
「そばにいていい?」
戸惑う海斗は、何を感じているのだろう。
それ以上蓮の名を求めはしなかったが、鳥羽の存在もうっとおしそうだった。
だがめけずに手を握る。
少しのためらいを含みながら、動こうとしない鳥羽を知ったのか、「しょうがない」という態度で頷く。
何度も一緒に寝ていたから、抵抗もないのだろうか。

初めて、海斗を抱きたいと思った。
誰に奪われることなく、安心させて、この腕の中で休んで欲しいと思った。
いつも海斗と一緒に寝る時には蓮もいた。
間に挟んで、まるで無垢な子供でも護るように…。
だけど今では邪魔な存在だ。
蓮とは気があっている。性格も知っている。話も合うし、お互いの行動も何を告げなくても悟ってくれる。
分かるから、蓮がどんな恋愛をするのかも知っていた。
もし海斗が想いを寄せても、蓮は表面的にしか相手にしない…。
海斗が不幸になるだけだ…。

そんな人間に、何を頼ろうというのだろう。
教えてあげたいと思う気持ちと、理想を打ち砕く悪魔のようで、鳥羽にも躊躇いがみえる。
人間として『蓮』は尊敬できたけど、恋愛に関しては全くだ。
人を駒のように扱う。割り切った関係を好んだ。
その駒に、海斗を当てたくない。

「海斗…」
よほど疲れていたのだろう。
目を閉じて間もなく、整った寝息が聞こえた。
眠れないほどの日々があったのだろうと、漠然と感じる。
そして自分の傍で安心して寝息を立ててくれること…。
「海斗の全部を背負ってやるよ…」
鳥羽は初めて海斗の口腔をなぞった。

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週末はまた休みかと思います。
書けたらupします。
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コメント

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コメント甲斐 | URL | 2010-09-11-Sat 15:11 [編集]
後腐れなく気軽に付き合える有馬と
全部を背負ってやる、という鳥羽
ひと時の癒しを求めるのか
続いていく平穏な暮らしか
お昼寝から覚めたらどうするのかな・・・
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2010-09-11-Sat 15:52 [編集]
甲斐様
こんにちは。こちらにもどうもです。

> 後腐れなく気軽に付き合える有馬と
> 全部を背負ってやる、という鳥羽
> ひと時の癒しを求めるのか
> 続いていく平穏な暮らしか
> お昼寝から覚めたらどうするのかな・・・

有馬とは気軽にやっていけそうなんですけど、鳥羽は色々知るだけに複雑みたいですね。
一時的なものだけを追い求めてきた海斗だから、抵抗はあるのかもしれませんが。
ずーと続く安らぎは欲しいはずです。
お昼寝、しちゃったけどねぇ。
ちゅうだけでなく、くっちまえっとか思っている私です…。
コメントありがとうございました。
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