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BLの丘
一番近いもの 41
2010-09-12-Sun  CATEGORY: 一番近いもの
優しい舌先があった。
包んでくれるような、…一時的なものとは違う。
父とももちろん違った。
もっと優しくて…安らかなもの…。
キスは幾度もしたけれど、こんなことを感じる相手はいただろうか。
そんなことを父以外に感じることがあったのだろうか。

海斗は目覚めなかった。
包み込まれるような肌の温もりを感じて、『休める』。そう感じた腕の中で眠りに落ちた。

再び目覚めた時、目の前にあった顔に驚いた。
添うようにねてくれていた人…。
焦がれた人なのに、どことなく、疎ましい。
それは自分が抱く浅ましさなのだろうか…。

部屋に差し込む明りで、すでに夕刻なのだと分かる。
そっと身を起こせば、まだ起きる気配のない鳥羽を知った。

寝付く前の会話もなんとなく思い出す。
心配をかけているのだな、と思いはしたが、好きだからこそ、負担などかけたくなかった。
その点、有馬は、割り切ってくれる。
たとえ抱かれることになっても、『慰め』と開き直れた。

そっと、ベッドをおりた。
僅かに海斗を手放さないように、掌が震えた。
宥めるように、額に唇を落とす。
安堵した表情が見えて、それだけで満足した。
寝ている、こんな時でしか、唇なんて寄せられない。
単純な、『ご近所様』を演じるのが今の海斗にとって精一杯だった。
父と別れて、すぐそこにあるものに縋ろうとは、ムシの良い話なのだろう。

不安の全てを有馬に相談できるわけではなかったが、会いたいと思ったのは何故だろう。
鳥羽を置いて、隣の部屋を尋ねようとした。

外に出た途端、見慣れた人間を見た。
「海斗…」
耳の奥に響く声。
昨日まで会っていた人…。
好きだった…、そう、『好きだった』人間がそこにいた。
「と、さん…」

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短いのは分かっているんですけど…。(穴をあけるよりはいいかな…と。)
ってか、必要以上に長くなってきた…(汗)

それと70000hit様。お答えできるようなものがあればなにか…。
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コメント

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コメント甲斐 | URL | 2010-09-12-Sun 15:47 [編集]
なんで?
なんできちゃうのおとうさん?
手放すのが惜しくなった?
それとも心配して?

寝てる場合じゃないかも鳥羽
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2010-09-12-Sun 21:34 [編集]
甲斐様
こんばんは。

> なんで?
> なんできちゃうのおとうさん?
> 手放すのが惜しくなった?
> それとも心配して?
>
> 寝てる場合じゃないかも鳥羽

なんでしょう。
海斗が突然帰っちゃったから?!
けど来たら他の男がいたってパターンで…。
鳥羽、起きましょう。
コメントありがとうございました。
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