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BLの丘
週末の夜 8 (策略SS)
2009-08-28-Fri  CATEGORY: 策略はどこまでも
R15?くらいかなぁ…。いや、危険個所はないと思います。たぶん。

力尽きたような那智をシーツの上へと横たえる。まだ抜いていない分身が那智の中を擦り、敏感になった体がブルッと震えた。
「は、…ん…っ…」
「今日はどうしちゃったの?」
アルコールに犯された体がいつもと違うのは承知の上だったが、これほどまでに奔放な那智を見たことがなかった久志には喜びと共に疑問も浮かぶ。
先程見せられた淫靡な姿は久志の脳裏に焼き付いて離れなかった。
「んぁ…、別に…」
快感だけに流されていた那智は、久志の一言で自分のはしたなさを振り返り、羞恥に顔を染めた。
なんとなく触れてしまった箇所から興味を持ったというだけだったのだが、実際自分から強請ったことを思うと淫乱であるような気にさせられる。
醜態を見せてしまったような…、恥ずかしさに思わず顔を両手で覆えば、久志の手が重なった。
「俺としては歓迎なんだけど。…でも心配も尽きないの」

ベッドの中で繰り広げられる姿が人目にさらされることはないと思ってはいても、奔放に振舞う那智を見てしまえば、酔った時にどのような態度で周りの人間と接しているのかと不安が生まれる。
それでなくても狙われていることを那智は全く気にしていない。
久志と同じような手が伸びた時、那智は流されずに耐えられるのだろうか。
幾度も植え付けた『快楽』という波に、他の人間でも乗ってみたいと思う日がくるのではないか…。
久志自身は飽きるほど、意味のない行為を続けてきただけに、那智以外の人間にはうんざりとする気持ちがあったが、経験のない那智がどのように思っているのかまでは読めない。

「な、んで、心配?」
至極当然のことを、意味が分からないといった風に問い返させられれば、久志からは溜め息以外の何も漏れなかった。
ゆっくりと那智の手を引きはがしながら、その表情を窺う。
「那智が、俺に対して思うことを、他の人も那智に対して思ってるから」

それでも意味が分からないと小首を傾げた那智に、久志は分かるように言って聞かせるしかなかった。
「那智が俺に触りたいって思うのと同じ意味で、那智に近づく人間は那智を狙ってんの。こういうふうに触る人間はみんな下心を持ってる。だから無防備な那智が心配なの」
顔を覆っていた手首を奪い、明らかになった細い顔を撫でながら、久志は諭した。

今日だって色々な匂いを付けて帰ってきた。
匂いだけではない。たぶんあちこちに誰かの手垢がついているような気がする。幾度バスルームで洗い流したとしても、再び誰かに何かを付けられるのではないかと思うと、穏やかではいられない。
過去に、安住という男に平然と髪を撫でられている姿を目撃した。那智にとって、そういった仕草は日常茶飯事のことと思えば、いつかどこかで分からせなければならない時が来る。
少なくとも、那智が傷を負って知るのだけは避けたかった。
そう…。いつか部室で襲われた時のように、その場になって体が覚えるのは遅すぎる。

「そんな…」
戸惑ったような那智の声が聞こえたが、久志は容赦しなかった。
「酔っ払った時の那智がどれだけ無防備か、よーく分かったし。今度酒が入る時は絶対に言えよ。迎えに行くから 」
会社の接待とか言って甘やかしてなどいられない。できることなら盗聴器でも発信機でもありとあらゆるものを那智の体に貼り付かせたいくらいだった。
「酔ってないし…」
「ふーん。じゃあ、これからもさっきみたいに、いっぱい強請ってね」
酔っていないと言われれば、嫌味の一つも出てくる。素面でこんな態度では尚更心配は尽きないし、第一自分の身が持たない。
繋がったままの箇所がまた熱を持った。
果て、なんてやってくることがない…。

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