観光バスは1時間ほど走って、ある温泉地を抜け山奥の方へと向かった。
たどりついたところは旧家を偲ばせる横に長く広がる2階建ての建物だった。
整備された日本庭園と良く似合うところは、榛名家本邸にも似ている。
庭一面につつじが植えられていて、(今は咲いていないが)見ごろには一面を染めるのが分かった。
雅臣と龍太は感じたことが無いくらいの緊張感を持っていた。
心なしか会話も小声になる。
雅臣「龍太、来たことあるの?」
龍太「あるわけないでしょ。こんなところ、入れませんからっ。雅臣さんの方が知っているところ、たくさんあるんじゃないですか?」
雅臣「パンフレットだけ見た。一泊一人10万円からだって。ハイシーズン20万円…」(今夏休み)
龍太「…今日の宿泊代で俺たちの年収…?!」(え?そんな安月給?!)
もちろん、添乗員はここで”お客様”を下ろしたら「はい、さようなら」だと思った。
迎え出た旅館の人間に荷物を手渡し、業務は終了…(雅臣は興味津々で中に入ってみたいのだがそんな図々しい行動には出られない)と頭を下げれば、百合子に「何しているの。全館貸切なんだから部屋が余るじゃない。だいたいあなたたち、今からどこに行くわけ?」と当たり前のように聞かれた。
雅臣「え、あ、いえ、あ、あ…、で、でも…」
龍太「俺たち、宿泊代、払えないです」
言いづらいことをきっぱりと龍太に言われて恥ずかしさに雅臣の蹴りが入りそうだった。
百合子「貸し切っているのよ。高が知れた金額をあなたたちに支払わせるような恥ずかしい真似、私がすると思う?」
良く考えなくても、『榛名家』にしてみれば雅臣と龍太の二人分くらい、微々たる金額だった。(本人たちは違うけど)
百合子「ここまで付き合ったんだから、最後まで付き合いなさい」
鶴の一声で宿泊は決定した。(冷汗をかきつつも、中を見学できることに雅臣は喜々)
各部屋に内風呂と露天風呂はついている。
間隔を置いているためか、一つの部屋の空間は広かった。
共通しているのは畳の間とベッドルームがあること。
それぞれ趣が変わるため、誰がどこの部屋に入るかでもめそうだったのだが……。
最奥にある、別館(一部屋しかない)に足を踏み入れた途端、子供がはしゃいだ。
一つの家と言っていい。
玄関を入って広々とした畳の香りがする和室が広がり、隣に深緑色のカバーリングをされたソファセットのあるリビング、並んでアンティークなダイニングがあり、奥に進むと大きなベッドのある寝室。
和と洋がうまく融合された空間につくられている。
寝室を囲むように配置された浴室は、石造りのジャグジーバスと檜の四角い内風呂。
回るように外に出ると岩づくりの細長い露天風呂がある。
どれもヒサほどの体格の男が5人は余裕で入れる広さだった。
英人「すっごーいっ♪」
一葉「おっきぃベッド~ぉ」
那智「お風呂が3つもあるよ~ぉ」
ヒサ「こ、ここ、旅館…?」
日野「一泊でこれ、全部使うの?」
神戸「時間を愉しむものであって使う必要はないけどね」
雅臣「りゅうた~ぁ…」(見たことがないものに脅えている)
龍太「鳥肌たった…」
百合子「夕食までまだ時間があるわ。ここでゆっくりしてもいいわよ」(ここは百合子の部屋らしい)
英人「お風呂、入る~♪」
千城「ダメに決まっているだろっ!!」
一葉「た、たまには3人で…」(ひとさし指付き合わせてモジモジ君)
那智「お泊まり会だし…」(たまご肌にもう一回触れたいらしい)
日野「何、やらかすか分からないんだよっ、おまえらっ!!」(前科者を野放しにはできない引率者)
神戸「じゃあ僕、監視役で一緒に」
千城 安住 ヒサ「「「一番危険だっ!!」」」
にほんブログ村
明日、何もないと思います…(だったら、これをとっておけ…って感じですが…)
たどりついたところは旧家を偲ばせる横に長く広がる2階建ての建物だった。
整備された日本庭園と良く似合うところは、榛名家本邸にも似ている。
庭一面につつじが植えられていて、(今は咲いていないが)見ごろには一面を染めるのが分かった。
雅臣と龍太は感じたことが無いくらいの緊張感を持っていた。
心なしか会話も小声になる。
雅臣「龍太、来たことあるの?」
龍太「あるわけないでしょ。こんなところ、入れませんからっ。雅臣さんの方が知っているところ、たくさんあるんじゃないですか?」
雅臣「パンフレットだけ見た。一泊一人10万円からだって。ハイシーズン20万円…」(今夏休み)
龍太「…今日の宿泊代で俺たちの年収…?!」(え?そんな安月給?!)
もちろん、添乗員はここで”お客様”を下ろしたら「はい、さようなら」だと思った。
迎え出た旅館の人間に荷物を手渡し、業務は終了…(雅臣は興味津々で中に入ってみたいのだがそんな図々しい行動には出られない)と頭を下げれば、百合子に「何しているの。全館貸切なんだから部屋が余るじゃない。だいたいあなたたち、今からどこに行くわけ?」と当たり前のように聞かれた。
雅臣「え、あ、いえ、あ、あ…、で、でも…」
龍太「俺たち、宿泊代、払えないです」
言いづらいことをきっぱりと龍太に言われて恥ずかしさに雅臣の蹴りが入りそうだった。
百合子「貸し切っているのよ。高が知れた金額をあなたたちに支払わせるような恥ずかしい真似、私がすると思う?」
良く考えなくても、『榛名家』にしてみれば雅臣と龍太の二人分くらい、微々たる金額だった。(本人たちは違うけど)
百合子「ここまで付き合ったんだから、最後まで付き合いなさい」
鶴の一声で宿泊は決定した。(冷汗をかきつつも、中を見学できることに雅臣は喜々)
各部屋に内風呂と露天風呂はついている。
間隔を置いているためか、一つの部屋の空間は広かった。
共通しているのは畳の間とベッドルームがあること。
それぞれ趣が変わるため、誰がどこの部屋に入るかでもめそうだったのだが……。
最奥にある、別館(一部屋しかない)に足を踏み入れた途端、子供がはしゃいだ。
一つの家と言っていい。
玄関を入って広々とした畳の香りがする和室が広がり、隣に深緑色のカバーリングをされたソファセットのあるリビング、並んでアンティークなダイニングがあり、奥に進むと大きなベッドのある寝室。
和と洋がうまく融合された空間につくられている。
寝室を囲むように配置された浴室は、石造りのジャグジーバスと檜の四角い内風呂。
回るように外に出ると岩づくりの細長い露天風呂がある。
どれもヒサほどの体格の男が5人は余裕で入れる広さだった。
英人「すっごーいっ♪」
一葉「おっきぃベッド~ぉ」
那智「お風呂が3つもあるよ~ぉ」
ヒサ「こ、ここ、旅館…?」
日野「一泊でこれ、全部使うの?」
神戸「時間を愉しむものであって使う必要はないけどね」
雅臣「りゅうた~ぁ…」(見たことがないものに脅えている)
龍太「鳥肌たった…」
百合子「夕食までまだ時間があるわ。ここでゆっくりしてもいいわよ」(ここは百合子の部屋らしい)
英人「お風呂、入る~♪」
千城「ダメに決まっているだろっ!!」
一葉「た、たまには3人で…」(ひとさし指付き合わせてモジモジ君)
那智「お泊まり会だし…」(たまご肌にもう一回触れたいらしい)
日野「何、やらかすか分からないんだよっ、おまえらっ!!」(前科者を野放しにはできない引率者)
神戸「じゃあ僕、監視役で一緒に」
千城 安住 ヒサ「「「一番危険だっ!!」」」
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明日、何もないと思います…(だったら、これをとっておけ…って感じですが…)
MO様
こんにちは~
>千城にとって、ますます居心地の悪い「温泉編」わくわくします♪ 大人組と、お子ちゃま組、それぞれに思惑ありのようですから、一世パパ登場までに、一騒動ありそうですね~。
騒動を起こすのはお子ちゃまなんですけどね。
ちーちゃん、こんなに動揺することはあるんでしょうか。
一世パパがまた何かのスパイスでもくわえそうな…。(百合子ママで充分だってのに…)
コメントありがとうございました。
こんにちは~
>千城にとって、ますます居心地の悪い「温泉編」わくわくします♪ 大人組と、お子ちゃま組、それぞれに思惑ありのようですから、一世パパ登場までに、一騒動ありそうですね~。
騒動を起こすのはお子ちゃまなんですけどね。
ちーちゃん、こんなに動揺することはあるんでしょうか。
一世パパがまた何かのスパイスでもくわえそうな…。(百合子ママで充分だってのに…)
コメントありがとうございました。
ら様
こんばんは~。
>夕食までに何かありそうな感じですねww いっそみんなで露天風呂にってパパ達に睨まれるか。。。 みこっちゃんと瑛佑は雲隠れ?ひぃちゃんにいなくなったって言われるんじゃ。。。w
もう全員でお風呂に入っちゃえばいいと思います。
隠すことのない千城と安住と神戸だし、ヒサの肉体をみんなでいじっていそうだし。
百合子ママ、それを見学していそうだし。(ま、ママもはいっちゃう?!)
消えた大人は…あとでつつかれるのでしょうね。
コメントありがとうございました。
こんばんは~。
>夕食までに何かありそうな感じですねww いっそみんなで露天風呂にってパパ達に睨まれるか。。。 みこっちゃんと瑛佑は雲隠れ?ひぃちゃんにいなくなったって言われるんじゃ。。。w
もう全員でお風呂に入っちゃえばいいと思います。
隠すことのない千城と安住と神戸だし、ヒサの肉体をみんなでいじっていそうだし。
百合子ママ、それを見学していそうだし。(ま、ママもはいっちゃう?!)
消えた大人は…あとでつつかれるのでしょうね。
コメントありがとうございました。
珍しいものがたくさんあるし
広ーいお風呂で泳ぎたい!
お子様方にはたまらない遊び場ですね
さあ、裸のお付き合い
よい子たちの引率&監視役は誰?
それとも大浴場に全員集合?
『いやいや、うちの子の玉の肌は誰にも見せたくない』
という心模様が。。。
広ーいお風呂で泳ぎたい!
お子様方にはたまらない遊び場ですね
さあ、裸のお付き合い
よい子たちの引率&監視役は誰?
それとも大浴場に全員集合?
『いやいや、うちの子の玉の肌は誰にも見せたくない』
という心模様が。。。
きえ様、三作品も更新ですか、すご過ぎて どの作品の感想コメを書いていいか分からないよーー!
でもやっぱりBL【観潮楼企画】の参加作品からですよね。るか様宅で <丘のK様>とあったので 密かに楽しみに待ってたんですよ、実は。な~んか危険な香り(古ッ!)の男登場で いいぞ、いいぞーって まだ 一話なのに ちょっと興奮気味です。年下の男・・・楽しみ~♪
『夏ママ』は、パパも参加!でも 会長の職は 百合子様しか考えられませんッ!
『一番近いもの』は、私の簡単な人物相関図を 書き直さなければ いけない 展開になりそうですね!
P.S.きえ様の 夏バテぶっ飛び更新に負けないように 嫌って言っても 日参しますからねー、これからは。 宜しくです(^o^)ゞbyebye☆
でもやっぱりBL【観潮楼企画】の参加作品からですよね。るか様宅で <丘のK様>とあったので 密かに楽しみに待ってたんですよ、実は。な~んか危険な香り(古ッ!)の男登場で いいぞ、いいぞーって まだ 一話なのに ちょっと興奮気味です。年下の男・・・楽しみ~♪
『夏ママ』は、パパも参加!でも 会長の職は 百合子様しか考えられませんッ!
『一番近いもの』は、私の簡単な人物相関図を 書き直さなければ いけない 展開になりそうですね!
P.S.きえ様の 夏バテぶっ飛び更新に負けないように 嫌って言っても 日参しますからねー、これからは。 宜しくです(^o^)ゞbyebye☆
甲斐様
こんにちは~。
> 珍しいものがたくさんあるし
> 広ーいお風呂で泳ぎたい!
> お子様方にはたまらない遊び場ですね
老舗旅館もこの3人にしてみれば遊び場です。
さあ、今度こそ、裸のお付き合い!!
> 『いやいや、うちの子の玉の肌は誰にも見せたくない』
> という心模様が。。。
三者三様あるでしょうね。
どーしよーかなー、と今悩んでいて、筆が進みません。
子供以外の人に見せるくらいなら自分が入るってなるでしょうね、パパ。
コメントありがとうございました。
こんにちは~。
> 珍しいものがたくさんあるし
> 広ーいお風呂で泳ぎたい!
> お子様方にはたまらない遊び場ですね
老舗旅館もこの3人にしてみれば遊び場です。
さあ、今度こそ、裸のお付き合い!!
> 『いやいや、うちの子の玉の肌は誰にも見せたくない』
> という心模様が。。。
三者三様あるでしょうね。
どーしよーかなー、と今悩んでいて、筆が進みません。
子供以外の人に見せるくらいなら自分が入るってなるでしょうね、パパ。
コメントありがとうございました。
けいったん様
こんにちは~。
> きえ様、三作品も更新ですか、すご過ぎて どの作品の感想コメを書いていいか分からないよーー!
自分で、「やっちゃった~(ーー゛)」と思いました。
3つはダメだ…。
全てにコメいただいてありがたや~、です。
> でもやっぱりBL【観潮楼企画】の参加作品からですよね。るか様宅で <丘のK様>とあったので 密かに楽しみに待ってたんですよ、実は。
そちらから情報入手でしたか!!
他の皆様が素晴らしすぎてるか様宅にコメを残したのはいいが、やっぱり…と何度も思っていました。
危険な香り…となるかな~。
> 『夏ママ』は、パパも参加!でも 会長の職は 百合子様しか考えられませんッ!
一家総出で、また変な『榛名家ルール』が出てきそうで…。
> 『一番近いもの』は、私の簡単な人物相関図を 書き直さなければ いけない 展開になりそうですね!
こちらも変な関係になりそうで…。
こんなつまらないところにいつもお付き合い、本当に感謝です。
コメントありがとうごさいました。
こんにちは~。
> きえ様、三作品も更新ですか、すご過ぎて どの作品の感想コメを書いていいか分からないよーー!
自分で、「やっちゃった~(ーー゛)」と思いました。
3つはダメだ…。
全てにコメいただいてありがたや~、です。
> でもやっぱりBL【観潮楼企画】の参加作品からですよね。るか様宅で <丘のK様>とあったので 密かに楽しみに待ってたんですよ、実は。
そちらから情報入手でしたか!!
他の皆様が素晴らしすぎてるか様宅にコメを残したのはいいが、やっぱり…と何度も思っていました。
危険な香り…となるかな~。
> 『夏ママ』は、パパも参加!でも 会長の職は 百合子様しか考えられませんッ!
一家総出で、また変な『榛名家ルール』が出てきそうで…。
> 『一番近いもの』は、私の簡単な人物相関図を 書き直さなければ いけない 展開になりそうですね!
こちらも変な関係になりそうで…。
こんなつまらないところにいつもお付き合い、本当に感謝です。
コメントありがとうごさいました。
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